車を洗車しようと思ったら、黄砂でまみれていて、汚れが思うように取れないことや、黄砂が原因で車体が傷ついてしまうトラブルは少なくありません。
黄砂は細かくて硬い粒子で、誤ったお手入れ方法を用いると、塗装面に傷をつけてしまったり、塗装が痛んでしまったりすることがあります。
この記事では、コーティング専門店として黄砂汚れの対策を徹底解説し、正しいお手入れ方法で愛車を守る方法をご紹介します。美しい車体を持続させるためのポイントを掴みましょう。
黄砂について知ろう!影響を受けやすい地域と季節
黄砂は内モンゴルや中国を中心とした東アジアの砂漠域の黄色い砂の粒子のことです。黄砂は、はるばる海を越えて日本まで飛んできて私たちの車を汚しているのです。
粒の大きい黄砂は重力の関係で早めに地面に落下します。ですので、日本まで飛来する黄砂は0.5から5ミクロン程度の細かな粒子のものであることが特徴です。
また黄砂は大気中の水分や雨などを吸収すると粘土状になる性質を持っており、砂のように簡単に手で払い落とせないやっかいな性質も持ち合わせています。
黄砂が降る時期と被害を受けやすい地域
黄砂の飛散が多い時期は主に春
上のグラフは、1967年から2018年まで黄砂の観測を続けている気象官署59地点について、黄砂現象が観測された日数を月別に集計し、1981年から2010年の30年で平均した値です。(気象庁発表)
黄砂は冬の時期は降雪による影響で少ないですが、偏西風が強くなる3月から一気に増え5月まで降ってきます。
黄砂が猛威をふるっている春の時期に車を屋外に駐車しておけば、当然のことながら車に黄砂が降り積もっていき、そのまま放置しておくとなかなか落とせない頑固な汚れへと変わっていきます。一番の予防策は、車は屋内に駐車しておくことです。
黄砂が多い地域は主に西日本
黄砂が多い地域は中国を中心とした東アジアとの地理的な関係から、西日本から日本海側にかけてが多くなります。
特に北九州などは健康被害が報告されるほどの黄砂が大気中に舞って、空が薄暗く染まって視界が悪くなるほどです。
その他太平洋側や内陸部にも粒子が小さな黄砂が偏西風に乗って降下してくることもありますが、量的には微量であることが多く大きな問題となることは少ないです。
黄砂汚れと花粉汚れは似てる!その見分け方とは?
車に付着している汚れは色々ありますが、3月から5月頃に黄色っぽい細かい粒子(砂)が降り積もっている場合は、黄砂であることがほとんどです。
同時期に花粉も飛散するのですが、花粉と黄砂の違いはザラザラしているかです。
黄砂の場合はザラザラとした感触があり、花粉の場合は粘りっぽい感触です。
確認するときは、強く擦ってしまうと塗装やコーティング面に傷が付いてしまう可能性もありますので、優しく触って確認して下さいね。
また黄砂の場合、雨が降るなど水分を含むと粘土状になる性質もありますので、これらの条件を満たしているようであれば黄砂であることを疑います。
黄砂が車の塗装に与える3つの危険
①黄砂は洗車をしくじるとボディに傷をつける
黄砂は微細な粒子で構成されており、これが車のボディに付着している状態で不適切な方法で洗車を行うと、塗装面に微細な傷がつく原因となります。
特に、乾燥した黄砂が車の表面に広がっている場合、その粒子が研磨剤のように機能してしまい、洗車の際にスポンジや布を使って力を入れてこすったときに、塗装を削り取ることがあります。
②黄砂を放置すると固着する!通常の洗車では除去が困難に
黄砂が車の塗装面に付着した状態で炎天下や雨に長時間晒されると、塗装に固着しやすくなります。
熱や湿気は黄砂に含まれるミネラル成分と反応し、これが化学的に塗装面と結合することで固着します。
この固着した黄砂は、塗装面に微細な傷をつける原因となり、時間とともに塗装の劣化を加速させるため、黄砂の影響は見た目の問題だけでなく、車の保護においても重要な課題となります。
③黄砂と酸性雨との危険なコンビネーション
黄砂と酸性雨は、車の塗装にとって非常に危険な組み合わせです。
黄砂自体が車の塗装面に微細な傷をつけることがありますが、それに加えて酸性雨がこれらの傷を介して塗装面に浸透すると、さらに深刻な化学反応を引き起こします。
特に、黄砂に含まれる金属粒子が酸性雨と反応することで、腐食や塗装の剥がれを加速させることがあります。
その結果、塗装が薄くなったり、色が褪せたり、最悪の場合は金属部分が錆びることもあります。
黄砂は放置するべきではなく、早めの洗車と正しい対処が重要になっていきます。
黄砂時期の洗車4つの注意点
黄砂に直接触れて洗うのは超危険!
黄砂が車のボディに付着している場合、直接手や洗車用具で触れて洗うのは非常に危険です。
黄砂の粒子は非常に細かく、硬いため、ゴシゴシと力を入れて洗うと、車の塗装面に微細な傷がついてしまう可能性が高いです。このような傷は、車の外観を損なうだけでなく、塗装の劣化を早める原因ともなります。
黄砂が付着した車を洗う際には、まずは大量の水または低圧の水流を使って、黄砂を慎重に流し落とすことから始めるます。
正しい洗車方法はこの後詳しく解説しています。
特に3〜5月の洗車は黄砂に注意!
黄砂の季節(3月から5月)は、黄砂の汚れが蓄積しないよう特に注意が必要です。この時期、空気中の黄砂が車の塗装面に付着しやすく、汚れを長期間放置すると固着し、通常の洗車では除去が困難になることがあります。黄砂が塗装面に長く留まると、酸性雨と反応し、炎天下での放置はさらに汚れを固着させ、コーティング被膜や塗装自体にもダメージを与える原因となります。
そのため、黄砂の多い時期は、少なくとも週に一度は洗車を行うことが推奨されます。定期的な洗車は、黄砂だけでなく、その他の汚れも同時に除去でき、車の保護にもつながります。また、汚れを見つけ次第、できるだけ早めに洗車することが、塗装の長期的な保護には不可欠です。面倒に感じるかもしれませんが、マメに洗車をすることで、黄砂によるダメージを最小限に抑えることができます。
風が強い日の洗車は注意が必要
黄砂の季節中、特に風が強い日の洗車には特別な注意が必要です。
強風時には黄砂やその他の汚れが大気中に多く浮遊しており、これらが車の塗装面に付着するリスクが高まります。
洗車時に回避できない摩擦が生じるため、これらの粒子が塗装面に細かい傷をつける原因となることがあります。
通常時期ももちろんですが、黄砂の時期は風の弱い日を選んで洗車するようにして下さい。
洗車機の利用はなるべく避けて
黄砂の時期には、洗車機を利用する際は特に注意が必要です。
黄砂が車に付着している状態で洗車機を使用すると、その硬い粒子が車の塗装面に摩擦を加え、細かい傷をつける可能性が高まります。特に、洗車機のブラシが黄砂を塗装面に押し付ける形で動くため、塗装へのダメージが大きくなりがちです。
また、黄砂の時期は多くの人が洗車機を利用するため、洗車機のブラシに黄砂が付着している恐れもあります。
黄砂を早く除去することも重要ですが、洗車機を利用する場合は先に水で黄砂を洗い流すなど細心の注意が必要です。
自分でできる!黄砂時期の洗車ガイド
黄砂時期の洗車は次のステップで進めるのがベストです。
エアーなどで黄砂を吹き飛ばす環境がある方はぜひこの一手間を!
ほとんどの場合はここから洗車がスタートすると思います。
まずは、車の塗装面に付着した黄砂を水圧でしっかりと洗い流しましょう。
ケルヒャーなどの自宅にある高圧洗浄機や洗車場の高圧洗浄機を利用することで黄砂を効果的に除去できます。
たっぷりの水で表面上の取れる黄砂を可能な限り取ってしまうというのがポイントです。
水を使う際に、高圧ジェットを極近距離から噴射すると水圧と砂で傷が付いてしまう可能性がありますので離して使うか角度を寝かしてあげることで効率よく黄砂を吹き飛ばすことができます。
水で流す際は車の天井部分から流していくように注意してください。
こうして黄砂の量を大幅に減らすことで、後の洗車工程も楽になりますし、傷をつけてしまう可能性も大きく低減させることができます。
黄砂の季節に洗車をする際は、カーシャンプーの使用が必須です。
特にコーティング施工車の場合、水洗いのみで十分と誤解している人が多いですが、黄砂が多い時期の水洗いではなくカーシャンプーの使用をお勧めします。
たっぷりの水で表面上の汚れを落としたら、残るは固まってしまった厄介な黄砂です。
当然この汚れを擦ったら一発で傷になってしまいます。
かといって水圧を上げて洗車をすれば、それもまた傷のリスクになります。
そこで洗浄力の高いカーシャンプーで固まってしまった黄砂を優しく洗ってあげる必要があります。
カーシャンプーをスポンジに取り、表面をなでるように優しく優しく洗ってあげてください。
スポンジで擦るというよりは泡の力や液剤の力で汚れをはがし、それを拭き取るようなイメージで行うと傷が付きにくいです。
特に細かい部分はスポンジが届かないので、カーシャンプーの泡の力で黄砂を落とすようにしましょう。
最後にしっかりとカーシャンプーを水で洗い流しましょう。
mineral off shampoo
『mineral off shampoo』は一般的なカーシャンプーの洗浄で落とせる花粉、黄砂、虫、砂ホコリや泥跳ねによる汚れの除去に加え、今までのカーシャンプーにはなかった『極初期のイオンデポジットを予防、軽減する効果』をプラスしたカーシャンプーです。
洗車後の水滴拭き取りには、マイクロファイバークロスを使用することをお勧めします。
コーティング専門店としての経験からも、マイクロファイバークロスが塗装面を傷つけずに効果的に水分を吸収できることがわかっており、実際に店舗でも使用しています。
他のタイプのタオル、例えばフェイスタオルや合成皮革の吸水クロスを使用すると、その素材の粗さや摩擦により塗装面に微細な傷がつくリスクが高まります。そのため、安全で効率的な水分の拭き取りには、マイクロファイバークロスの使用が最適です
マイクロファイバーバスタオル
『マイクロファイバーバスタオル』は毛足が長いため、軽い力で拭き取ることができる愛車にやさしいタオルです。
抜群の吸水性で洗車時の水の拭き上げに最適。
大判なので仕上げ作業の効率性も高いのが特徴です。
車の水分を丁寧に拭き上げたら最後にコーティング剤などで塗装面を保護してあげましょう。
保護することで、黄砂などの汚れがつきにくくなるだけでなく次の洗車が楽になるなります。
黄砂の予防対策とおすすめアイテム
黄砂が車の塗装にもたらす影響と正しい洗車方法をお伝えしてきましたが、ここからは黄砂対策として事前にできる予防策を紹介します。
黄砂から塗装面を守る対策として有効な対策は主に3つあります。
- ガラスコーティング(セラミックコーティング)
- プロテクションフィルム
- ワックス
(セラミックコーティング) | ガラスコーティングプロテクションフィルム | ワックス | |
効果 | ◎ | ⚪︎ | △ |
価格 | 専門店:5万円〜25万円 自分で:5千円〜1万円 | 約90万円 | 数千円 |
持続性 | ◎ | ⚪︎ | △ |
カーコーティングで黄砂から塗装を守る
カーコーティングは黄砂の季節に特に有効で、車の塗装を保護する重要な役割を果たします。
この保護層は、黄砂だけでなく、その他の汚れや紫外線からも車を守り、塗装の輝きを長持ちさせる効果があります。
さらに、コーティングされた表面は滑らかで、黄砂が付着しにくくなるため、洗車の際の摩擦を減らすことができ、結果的に塗装へのストレスを軽減します。
メリット | デメリット |
①傷がつきにくい ②黄砂がつきにくくなり、付着した交差も簡単に落とせる ③効果の持続性が長い | ①費用が高額 ②自分に合うコーティング店を見つける必要がある |
プロテクションフィルムで黄砂から塗装を守る
プロテクションフィルムは車の塗装を黄砂の損傷から守る効果的な方法です。
携帯の画面に貼る保護フィルムのようなもので、塗装面に透明な保護層を形成し、黄砂による細かな傷や摩耗から車体を保護します。
また、フィルムは水や汚れが付着しにくく、洗車が容易になります。定期的な交換で最高の保護を持続できます。
メリット | デメリット |
①傷がつきにくい ②黄砂がつきにくくなり、付着した交差も簡単に落とせる | ①費用が高額(コーティングの数倍) ②フィルムで保護できない箇所がある ③施工できる専門店が少ない |
ワックスで黄砂から塗装を守る
ワックスは一番簡単に行うことができる黄砂対策ですが、持続性が短く月に2回ほど洗車とワックスをかける必要があるため、日頃から洗車をしない方にはお勧めできません。
ワックスをかけると塗装面に油の膜がはられるため、洗車をする時に汚れが落ちやすくなり、また光沢を得られる効果があります。
しかし、洗車をするたびにワックスをかける必要があります。
メリット | デメリット |
①価格が安い ②手軽に施工できる | ①持続性が低い ②汚れが付きやすい |
黄砂対策に効果を発揮!おすすめのコーティング剤
コーティング専門店で施工すると10万円以上はかかるコーティングですが、自分で施工することも可能です。
自分でコーティングを施工する場合はムラなどのリスクもありますが、DIYでも使いやすく持続性も高いコーティング剤を紹介します。
それがSPECIALEシリーズの主軸になる製品である『グロスブースター』です。
ガラスコーティング専門店でもお客様のお車の保護や仕上げに実際に使用している、スペチアーレシリーズは簡単施工なのにプロ並みの仕上がりが期待できます。
まとめ
車の塗装と交差についてご理解いただけたでしょうか?
黄砂の汚れは車の塗装面に細かい傷を付けやすく、放置すると汚れが固着してしまい、通常の洗車では除去が困難になります。黄砂の時期には、正しい洗車方法を用いて車を洗うことが重要です。
これにより、塗装面を保護し、傷や固着汚れのリスクを減らすことができます。
黄砂から車を守るためには、適切な洗車手順を心がけましょう。