
ガソリンスタンドに設置されている洗車機を使いたいんだけど、初めてだからやり方が不安・・・

洗車機を使ってみたいけど、使い方が不安でなかなか一歩踏み出せない人って多いですよね。
でも大丈夫!今回は初心者でもわかるようにセルフ洗車機の使い方を元ガソリンスタンド店員の私が丁寧に解説します。
セルフ洗車機って何?


まずはセルフ洗車機ってなに?という疑問にお答えしましょう。
洗車機は車を洗う機械
「セルフ洗車機」とは、機械を使った洗車のことをいいます。
ガソリンスタンドやコイン洗車場に設置されているもので、門型の洗車機のことは「ドライブスルー洗車」や「全自動洗車機」などと呼ばれています。
一方、手作業で行う洗車のことは「手洗い洗車」といいますね。こちらは読んで字のごとく、手作業で全ての洗車工程を行う洗車のことです。
コースを選ぶと自動的に洗車してくれる
セルフ洗車機の特徴は色々ありますが、まずどのタイプにも共通しているのは「お金を入れてコースを選び、自分の希望に合わせた洗車を機械が行う」という点です。
シンプルな水洗いからワックスコートができる洗車など、選べるコースは様々でオプションもいくつかあります。
拭き上げは自分で
セルフ洗車機は自動で車を洗ってくれますが、機械ではできない工程もあります。
それが、水分の完全な拭き上げです。
洗車が終わるとエアーを使って水分を飛ばしてくれますが、実際には完全に水分が吹き飛ぶことはありません。
そのため、洗車が終了したら拭き上げスペースに車を移動させて、自分でボディの拭き上げをしなければいけません。

拭き上げ作業は、ウォータースポットなどの水アカ汚れを防止するために重要な作業。
でも、ちょっと面倒なんですよね(笑)
なので、「どうせ拭き上げなきゃいけないなら自分で手洗い洗車しちゃう」という方も多くいらっしゃいますよ。
セルフ洗車機には2種類ある
洗車機は主にガソリンスタンドに設置されている「ドライブスルー洗車機」と洗車場などに設置されている「全自動洗車機」の2種類があります。どちらも車の洗い方は同じですが、操作方法が少しだけ異なります。
ドライブスルー洗車機
車に乗ったままで門型の洗車機に入るのが、ドライブスルー洗車機です。
洗車ゲートまで車で行って、ゲート横に設置してある操作パネルで洗車コースを選び、機械の指示に従って停車位置まで移動して機械洗車をします。
基本的には車に乗車したままで洗車の工程が進み、洗車が終わったらそのまま車を前進させ、拭き上げ場所まで移動して拭き上げ作業をします。
全自動洗車機
ドライブスルー洗車機と似ていて門型の洗車機ですが、こちらは洗車中は車の外で待機します。
操作パネルが洗車機本体についていることが多いです。
車を所定の停車位置に停めたら窓を閉め、ドアミラーを畳んで車を降りて操作パネルで洗車コースを選び、洗車をスタートさせます。
洗車が終了したら車に乗り込み、拭き上げ場所まで車を移動させて仕上げ拭きをします。
洗車機のブラシの種類

洗車機で重要なパーツの一つが「洗車ブラシ」です。
洗車ブラシにはいくつかの種類があり、特徴もそれぞれありますが洗車傷を少しでも減らすためにはどのブラシの洗車機を選ぶかが重要です。

どのブラシかわからないときは、最新型の洗車機を選ぶことをおすすめします!
プラスチックブラシ
プラスチックは昔から洗車機ブラシに使われている素材で主流だった時代もありますが、材質が硬く汚れが毛に付着しやすいことから、洗車キズができやすいとされています。
最近では、プラスチックブラシを使っている洗車機を見かけることはありません。
ゴムブラシ
プラスチックブラシに続いて登場したのがゴム製のブラシです。
回転ブラシ型なのはプラスチック製と同様ですが、洗車傷はプラスチックブラシよりは少ない傾向です。汚れ落ちは少々弱いです。
ゴムブラシも最近は見かけません。
布ブラシ
布製ブラシが流行した時代もありましたが、現在では下火になってきています。
布がドアミラーなどに巻きついて破損事故を起こすケースがあったため、ほかの素材にとって代わられているようです。
スポンジ
現在の自動洗車機は、スポンジブラシが主流になっています。
あたりが柔らかいのでプラスチックブラシより洗車傷ができにくく、車体には比較的優しいブラシです。
ノンブラシ
こちらはブラシを一切使わない洗車です。高圧のジェット噴射で汚れを取ります。
ノンブラシなのでボディをこすることもなく傷はできにくいのですが、その一方でしつこい油汚れや水垢は落としきれないことがあり、機械洗車後に手洗いで細かい部分を洗う手間が必要になる場合もあります。
しかし洗車傷のリスクは格段に少ないので、絶対に洗車傷を防止したい場合はノンブラシの洗車機がおすすめです。
セルフ洗車機を利用するデメリット

機械がすべて洗車を行なってくれるので非常に便利なセルフ洗車機ですが、一方ではデメリットもあります。
洗車機を使う際の注意点を紹介しましょう。
洗車機のデメリット① 傷がつく恐れがある
洗車機は日々進化しているので、昔のように大きな傷がボディに入ることはありません。
しかし、機械がオートメーションで洗車をするため、どうしても傷ができるリスクがあります。
手洗い洗車ならできるような力加減は洗車機ではできないのです。
ただし、手洗い洗車であってもキズのリスクはゼロではないので注意が必要です。
洗車機のデメリット② 拭き上げが面倒
洗車機を使う人の多くは、短時間で車を簡単に綺麗にしたいと思っています。
車の拭き上げ作業は、洗車の工程の中でも面倒な作業で時間もかかります。
結局拭き上げをしなければいけないのか・・・とがっかりしてしまう人もいるでしょう。
洗車機のデメリット③ 細かい部分は洗えない
手洗い洗車のように細かな部分まで丁寧に洗い上げるということがセルフ洗車機ではできません。
決まったプログラムで動いているので、車ごとの汚れの特徴まで完璧に把握して洗ってくれるわけではないのです。
センサーで車体のフォルムなどはキャッチしてブラシの当たりを調整してはくれるけれど、パーツの隙間や隠れた部分まではさすがに感知して洗ってはくれません。
自動洗車が終わったら自分の目で洗い上がりを確認して、不十分ならば手作業での洗いを加える必要があります。
セルフ洗車機の使い方

ここからは実際に洗車機を使う場合の料金や流れを紹介していきます。
セルフ洗車機の利用料金

上の画像は一般的なガソリンスタンドの洗車機の料金です。
洗車場によって多少の違いはありますが、水だけで洗うコースが300円、シャンプー洗車が500円というのが相場です。
人気のコースはシャンプー洗車や1000円以内の撥水洗車です。
ワックスやコーティングができる洗車機もありますが、あくまで洗車のついでの簡易的なものであることを覚えておきましょう。
また、塩カルが撒かれる寒冷地では車の下部(底)を洗うことができるオプションも人気です。下回りが洗えるオプションは200円が相場です。
セルフ洗車機が使える時間帯
ガソリンスタンドは24時間営業しているところも多いですが、洗車機が使えるのは8時〜21時頃までのところがほとんどです。
深夜は周辺への騒音配慮やセキュリティの面から使用時間を決めているようです。
もちろん場所によっては24時間使えるところもあるので、深夜に急に洗車したくなった場合は探してみてくださいね。
洗車機の主なコース
洗車機にはいくつかのコースがあります。店舗や機種によって異なりますが一般的には次の6種類のコースがあります。
- 水洗い洗車
- シャンプー洗車
- ワックス洗車
- 撥水コート洗車
- ガラスコート洗車
- ポリマーコート洗車
水洗い洗車は、水だけを使って洗車するコースで、水を流しつつ回転ブラシで洗車します。
所要時間も一番短く、最も単純な洗車方法です。
シャンプー洗車は、水洗い洗車と工程は一緒ですが水だけでなくカーシャンプーの泡と回転ブラシで洗車をします。
多くの人が使う洗車コースで水洗い洗車よりも汚れが落ちます。
ワックス洗車は、シャンプー洗車とワックスがけがセットになった洗車コースです。
ワックス成分の入った液体を洗車後に噴射するイメージですが、ほとんどの場合洗車機が1往復する間に終わるため時間はそれほどかかりません。
撥水コースはシャンプー洗車の後に撥水コートをかけるコースです。
機械が2〜3往復することが多いので、シャンプー洗車より時間がかかります。
ガラスコート洗車は、3Dレジンというガラス質に似た素材のコーティングで仕上げるコースです。
保護被膜を塗布することでボディを守る効果があり、撥水効果だけでなく光沢性もありますが、あくまでも簡易的なコーティングであることを忘れずに。
ポリマー洗車は、シャンプー洗車のあとに「ポリマー」というシリコンやフッ素を含んだ高分子化合物のコートをするコースです。
ポリマーの特徴は、紫外線防止や汚れつきを防ぐ効果があります。こちらも簡易的なポリマーコートです。
洗車機の使い方

洗車機のコースや料金を知ったところで、いよいよ洗車機の使い方です。
初めて使う場合は緊張するかもしれませんが、操作内容は丁寧にアナウンスされるので焦らないようにしてくださいね。
①洗車機の入口へ入り、操作パネルに車を寄せる
まずは洗車機前の停止線を目安に、ゲート横の操作パネルに車を寄せて停めます。
このときは洗車機に対して車が真っ直ぐのライン状に乗るよう駐車するのがポイントです。
車体の位置が曲がっていると、このあとの洗車がうまくいかない原因になります。
②お金を入れ、希望コースを選択(必要に応じてオプションも選択する)
操作パネルに表示されているメニューの中から希望のコースを選び、お金を投入します。
車の種類によって「突起物」などを選ぶ項目や車の下回りを洗うオプションなどもあるので、あなたの車の種類や使用場所によってコースを決めくださいね。
③ドアミラーを畳み、アンテナは収納する
洗車コースを選んだらドアミラーを畳み、アンテナも忘れずに収納します。
④洗車機のスタートボタンを押す
全ての準備が整ったら洗車機のスタートボタンを押しましょう。
ミラーを畳む前などにスタートを押すと慌ててしまうので、落ち着いて行動してくださいね。
⑤窓を閉め、停止位置まで進む
ここからは洗車機の出番です。洗車機の近くにある停止位置まで車を移動させて停めます。
全ての窓をしっかり閉めるのも忘れずに!
⑥エンジンを切り、洗車スタート
車が所定の位置についたら、洗車がスタートします。サイドブレーキを引いて、誤作動防止のためにエンジンを切りましょう。
洗車が始まると車が停まっている床面や機械が自動で動き、選んだコース通りに工程が進んでいきます。
⑦終了後、「前進」ランプが点灯したら前進する
洗車終了すると「前進」のランプが点灯します。エンジンをかけて車を洗車機から移動させましょう。
8.拭き上げスペースに移動し、拭き上げをする
洗車スペースを出たら拭き上げスペースにそのまま移動します。
車体に水滴が残っている場合は、拭き上げスペースで仕上げ拭きをしましょう。拭き上げ用のタオルは備え付けで置いてある場合もありますが、汚れていることもあるので注意が必要です。
可能であれば、自分専用のマイクロファイバークロスなどを持参するようにしてください。

セルフ洗車機を使う時の注意点
とても便利なセルフ洗車機ですが、使う際には注意点がいくつかあります。
初めての人はここでしっかり確認してから洗車機を試してみてくださいね!
装備品選択の項目をきちんと確認・選択しよう!
ドライブスルー洗車機や全自動洗車機には、操作パネル上に「装備品選択」の項目があります。
ミラーを畳めないタイプの車や飛び出たパーツがある車の場合は、車の破損防止のためにここで忘れずに選択しましょう。
洗車中に窓やドアを絶対に開けない
ドライブスルー洗車機での洗車中は、しっかりとすべての窓とドアを閉めて絶対に開けないように気をつけてください。パーツが破損する恐れもあり、大変危険です。
車内に洗車水やシャンプーの泡が流れ込んできたら・・・想像するだけで怖いですね。
特に小さなお子さんが乗ってる場合はロックをかけるようにしましょう。
洗車機の疑問

洗車機を使う時によく聞かれる質問をまとめてみました
- ガラスコーティングをしていますが洗車機は使えますか?
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コーティング車でもセルフ洗車機は使えます。コースは「水洗い洗車」や「シャンプー洗車」を選ぶようにしましょう。
元々のコーティングの効果が剥がれる恐れがあるので、ワックスコースなどは選ばないようにしてくださいね。
洗車機によってはコーティング施工車専用のコースがある場合も。 - 外車でもセルフ洗車機は使えるの?
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日本車と比較すると塗装が弱いとされている外車ですが、近年ではそれほど大きな差はないため外車でも洗車機を使うことはできます。
ただし、形状が特殊な車種の場合は外装品の破損などのトラブルのリスクがあるため、注意が必要です。 - 洗車中はエンジンを切る?
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洗車中はエンジンを切るのが正しい使い方ですが、暑い日などエアコンをつけっぱなしにしたいという理由でエンジンを切らない方もいるようです。
洗車中に万が一車が動いてしまうと、洗車機が途中で停止したり車が損傷する恐れがあり危険です。また、注意事項や禁止事項を守らず使用した場合、修理費用は全額自己負担になります。
洗車中は必ずエンジンを切るようにしましょう。
洗車傷を付きにくくするには?

最後に洗車機を使う時のコツを紹介しましょう。
ちょっとしたことで、洗車機を使った時についてしまう傷を減らすことができますよ。
洗車機に入れる前に水洗い!
全自動洗車機やドライブスルー洗車機を使う前には、ますは事前に車体全体を水で洗って砂や埃などの汚れを流しておきましょう。
車体についた砂や泥などの汚れは、洗車中に車体とこすれて傷ができる原因となります。事前に大きな汚れを除去しておくことによって、洗車傷ができにくくなります。
拭き上げ後にコーティング剤を塗る
洗車機のコースにはワックスやコーティングコースもありますが、効果がほとんどないのでおすすめできません。
おすすめなのはスプレー式のコーティング剤です。洗車後にボディに吹きかけるだけなので、とっても手軽で便利です。自分で施工するのにも関わらず手間もほとんどかからず、コストもリーズナブルに済むのが嬉しいところ。
コーティングをしておくことで、汚れが付きにくくなるだけでなく、次に洗車機に入れた時の洗車傷防止にも繋がります。

セルフ洗車機の使い方は簡単!
今回はセルフ洗車機の種類や使い方、注意すべきポイントなどについて解説してきましたが、いかがでしたか?
自分の車を洗車したことがなく、どう洗ったらいいのか分からない初心者ドライバーさんにとっては心強い味方となるのがセルフ洗車機です。
初めて使うときは不安かもしれませんが、洗車機は使い方も非常に簡単です。費用も安く、手洗い洗車に比べて時間もかからないのでかなり便利なものです。近年ではその性能もかなり向上し、洗車中に洗車傷がついてしまう心配も減ってきています。
セルフ洗車機を賢く活用して、愛車との日々を快適にお過ごしくださいね!