花粉は人間だけでなくクルマにとっても大敵!花粉汚れは、粘り気が強く簡単な洗車ではなかなか落とすことができません。
しかも、ボディに花粉が付着したまま放置すると、シミができたり最悪の場合、塗装面にクラックなどのダメージを与える危険性もあります。
今回は、花粉汚れで起きる悩み・問題を劇的に改善する具体的な方法をご紹介していきます。
花粉汚れの特徴!黄砂の違いは?
花粉と黄砂は同じ時期に飛散するので、どっちなの?と思うかもしれませんが、それぞれに特徴があります。
白っぽい汚れは黄砂
黄砂はおもに中国の砂漠地帯で巻き上げられた土や鉱物などの微粒子が、偏西風に乗って飛んでくるもので、ボディに付着すると白っぽい汚れになります。
触ってみるとザラザラとしていて、放置するとキズの原因になります。
黄色の汚れは花粉
フロントガラスや車のボディが黄色っぽくなっている場合は、花粉による汚れです。
水がついた指で触ってみると、ネバネバとした感触があります。
粘着質のため、濡れたタオルなどで落とそうとしても綺麗に落ちないのが特徴。
雨が降ると、花粉の中からネバネバ物質が染み出るため、塗装面やコーティング被膜に吸着してしまいます。
洗車をせず、そのまま乾燥してしまうとシミ汚れになるので注意が必要です。
花粉と黄砂の関係
3月〜4月はスギ花粉と同じ時期には黄砂も飛散します。
ザラザラ汚れとネバネバ汚れが混じって乾燥することで、複雑な汚れがボディに固着してしまいます。
洗車や除去をせず放置すると、カーシャンプーやケミカルでは落とせないほどの強力な汚れになってしまうことも。
そのため、春先はこまめに洗車することをおすすめします。
花粉汚れをそのまま放置してはいけない理由
花粉汚れの放置は危険です!なるべく早く除去するようにしましょう。
花粉は雨に濡れると「ペクチン」と呼ばれるペタペタした物質が染み出てくる特性があり、塗装・コーティング被膜に吸着して乾燥すると花粉シミになってしまいます。
車が汚れていると見た目が悪いという問題もありますが、花粉汚れを長期間ほうって置いてシミになってしまうことの方がリスクは大きいのです。
なぜ花粉はシミになるの?
花粉の構造は球状の膜のような構造体の中にペクチンを含んでいます。
水に濡れると殻が割れて中からペクチンが抽出され、このペクチンが塗装面への吸着を促進し、頑固でねばっこい汚れとなっていきます。
さらにその状態から乾燥するとペクチンが収縮し、塗装も一緒に収縮してしまうことで花粉シミへと変わっていきます。
シミになってしまうリスクは
- 車ボディの塗装の状態が悪いほど
- 花粉の量が多いほど
- 気温が高いほど
- 付着してからの経過時間が長いほど
高くなっていくので注意が必要です。
花粉シミを放置するとどうなる?
花粉汚れがシミになると、シミによる収縮などの作用で塗装が変形し、凹凸ができてしまい傷と同等のダメージを負うことになります。
また、収縮による被害は塗装自体の変質による気泡、ピンホールの発生につながります。
これは、花粉だけでなく鳥のフンや虫汚れの放置でも同じようなことが起こる可能性があります。
では実際の花粉汚れの落とし方をご紹介していきます。
【花粉汚れの落とし方①】すぐに洗車する
基本的なことですが、花粉汚れがあることを確認したらその時点ですぐに洗車をするようにしましょう。
花粉汚れが予想される時期は、雨が降ってペクチンが発生する前に洗車をするのが理想的です。
ペクチンが発生してしまってからでは、花粉汚れがシミになってしまうだけでなく、汚れが固着するので落としにくくなってしまいます。
【花粉汚れの落とし方②】お湯をかけてみる
花粉シミの原因となってしまうペクチンですが、「熱に弱い」という弱点があります。
実際にお湯をかければシミが除去できる場合もあります。
ただし、すでに塗装を侵食してしまっている場合には取り切れない事が多いので、そうなる前に対処するよう心がけましょう。
花粉汚れを熱湯で落とす場合のコツ
熱湯はかける時は高温であってもすぐに流れ落ちていってしまい、汚れ部分の温度はすぐに下がっていってしまいます。
そこでシミの部分にやわらかいマイクロファイバーなどをかけ、それを熱湯で濡らすようにしてあげましょう。
お湯の温度はプラスチック部品への影響を考慮して、80度くらいにしてください。
また、マイクロファイバーによっては熱に弱い素材もあるので注意が必要です。耐熱性がわからない場合は、タオルを使うようにしましょう。タオルは毛並みが硬いので、お湯をかけるだけに使い拭き取りはマイクロファイバーなどの柔らかい素材がおすすめです。
【花粉汚れの落とし方③】ドライヤーの熱を使う
お湯による処理と同様に、ドライヤーの熱によってシミが除去出来る場合があります。
集中的に熱することで熱湯よりも高い温度にもっていくこともできますが、その分プラスチック部品などが溶けてしまう可能性がありますので十分に注意してください。
熱湯よりも温度調整がしやすいのがドライヤーのメリットです。
中にはドライヤーよりもワンランク上のヒートガンを使って処理する人もいます。
ヒートガンは約400度近い高温になりますので、プラスチックパーツは容易に溶けますし、下手すると発火する可能性もあります。
熱湯よりも高い効果が得られるのは事実ですが、ヒートガンは二次災害が起きる可能性が高いので初心者の方にはあまりおすすめできる方法ではありません。
また、ドライヤーやヒートガンを屋外で使用する場合は電源確保が必要になりますので、それなりに環境の整った場所でないと実現は難しいでしょう。
【花粉汚れの落とし方④】あえて屋外に放置
天気が良く炎天下が続く地域であれば、太陽の熱で花粉のシミ汚れがキレイさっぱりなくなることがあります。
ただし、天気によって左右されるので、デメリットも大きいですね。
花粉の時期は洗車をしてもすぐに汚れてしまうので、半ば諦めるという究極の方法かもしれません。
車のボディに付着する花粉の対策方法
花粉だけでなく、ホコリや泥汚れ、黄砂など様々な汚れから車を守るには、コーティングしておくことが一番です。
ボディー表面の目に見えない小さな凸凹を、コーティング剤を使って滑らかにしておくことで汚れが簡単に滑り落ちます。
汚れが付きにくくなることはもちろんですが、水で流すだけでボディーに付着した汚れが流れ落ちるため洗車をする場合も楽になります。
コーティングは自分で施工できる
コーティングと聞くと、専門業者に依頼するものだと思ってる方もいるかもしれません。
もちろん専門店でのコーティング施工は、花粉をはじめ様々な汚れに効果的です。
しかし、時間と費用がかかってしまいます。
そこで、自分でコーティングすることをおすすめします。
プロのような完璧な仕上がりは無理でも、花粉対策としては十分な効果を簡単に得ることができますよ。
自分でコーティング剤を施工する場合、本格的なプロ仕様のものもありますが、高額・手間がかかる・塗りむらができるなど初心者にはハードルが高いものがほとんどです。
まずは、スプレー式で簡単に施工できるものから使ってみましょう。
おすすめのコーティング剤
DIYにおすすめのコーティング剤は、「SPECIALEシリーズ」のgloss boosterです。
gloss boosterはガラスコーティング専門店でも使用されているプロ仕様のコーティング剤で,
本来は10万円以上かかるガラスコーティングですが、『gloss booster』はいつもの洗車にほんの一手間加えるだけで本格的なコーティングと肩を並べる程のしっとりとした肌触りへと生まれ変わります。
プロ仕様ならではの透き通る様な発色、耐スリキズ効果、更に汚れ落ちの良さまで兼ね備えたトータルバランスの良いコーティング剤です。
コーティングする場合の注意点
コーティング剤で花粉対策する場合の注意点が1つあります。
コーティングやワックスを施工する場合、事前にしっかりと花粉や汚れを落としておきましょう。
花粉や汚れを落とさずにコーティングをしてしまうと、ボディとの間に花粉を挟み込んでしまう恐れがあります。
花粉が車のボディとワックス、コーティング剤の間に閉じ込められると、花粉の汚れはもう落とせなくなってしまいます。
そして最悪の場合は、ボディが腐食してしまう恐れがあります。
コーティングをする際はしっかりと洗車をして花粉をきれいに洗い流し、まっさらな塗装面にコーティングをするようにしましょう。
では花粉を落とすための洗車方法を紹介しましょう。
花粉で汚れた車の洗車方法
洗車のポイントは、花粉汚れに限らず全てにおいて共通です。
①たっぷりの水で洗い流す
これは洗車の基本ですね。
まずは水を車の上から下に向かってかけて、表面についた汚れを落としていきましょう。
この時、ただ水をかければいいわけではありません。
汚れが上から下へ流れていくイメージをしっかり持ってホースを動かしましょう。
ボディについた花粉が流れていくのがわかります。
こびりついた花粉汚れは、水流だけでは流れませんが水をかけることで柔らかくなり浮かび上がってきます。
②カーシャンプーを泡立てて洗う
車全体の花粉がある程度落ちたら、次はカーシャンプーでしっかりと洗っていきましょう。
同じ中性洗剤ということで、台所用の洗剤を使う方もいるようですが、泡切れがよくないので車専用のものを使ってください。
ほとんどのカーシャンプーは希釈して使います。バケツに入れて上から水を注ぐと泡立ちがいいですよ。
泡立て泡をスポンジやマイクロファイバークロスにたっぷりとつけて、優しくなでるように洗ってみていきましょう。
スポンジよりもマイクロファイバークロスの方が汚れ落ちが良いですよ。優しく洗っても落ちない汚れは少し力を入れて洗ってください。
事前に汚れを落としていれば、よっぽど力を入れない限り洗車キズがつくことはありませんので安心してください。
洗い終わったらシャンプーの成分が残らないようにしっかりと水で流しましょう。
天候によって水分の乾燥時間が変わります。早そうな日は、一気に車全体を洗うのではなく、パーツごとに分けて「洗う→すすぐ 洗う→すすぐ」を繰り返しましょう。
③丁寧に拭き上げる
キレイに洗い終わったら、最後に拭きあげて仕上げましょう。
拭く前に水分が乾いてしまったり、拭き残しがあると水アカのシミができてしまいます。
大きめの柔らかいクロスで全体を拭いてから、細かい箇所の水分を取っていきます。
写真のように、テーブルクロス引きのようにクロスを大きく使って引いていくと効率よく水分を落とすことができます。
ただし吸収性が悪い硬いタオルはキズがついてしまうので、吸収性が高く柔らかい素材のものを選びましょう。
花粉が付着しやすい場所を重点的に洗おう
花粉は風に乗って飛散しますので、ルーフとボンネットに特に付着しやすくなります。
面積が大きいですし、地面と平行になっているため、花粉が下に落ちにくく車に残ってしまいがちです。
また忘れがちなのが「フロントガラスとワイパーゴムの間」です。
車の形状にもよりますが、多くの車でフロントガラスについた花粉が滑り落ちて、ワイパーのゴム部分に溜まってしまいます。
ワイパー近辺も忘れずにきれいにしてあげましょう。
正しい洗車方法は次の記事で詳しく紹介しています。
花粉汚れの洗車におすすめの洗剤
花粉の時期の洗車におすすめのカーシャンプーがあります。
先ほど紹介した「SPECIALEシリーズ」のミネラルオフシャンプーです。
一般的なカーシャンプーの洗浄で落とせる花粉、黄砂、虫、砂ホコリや泥跳ねによる汚れの除去だけでなく、今までのカーシャンプーにはなかった『極初期のイオンデポジットを予防、軽減する効果』がプラスされたプロ仕様のカーシャンプー です。
花粉に直接作用するスポットケアシリーズ
また、花粉汚れが気になる場合はミネラルオフシャンプーで洗車した後に、同シリーズの『SPECIALE 3-three』がおすすめです。
『SPECIALE 3-three』はスポットケアシリーズとして販売されているケミカルで、虫の死骸など主にタンパク質汚れの除去に特化した商品です。
花粉はタンパク質汚れに分類されるため、シャンプーだけでは落とせない頑固な花粉汚れに最適です。
車内の花粉対策
花粉症の時期は目がショボショボしたり頭がボーっとしたりと、運転に支障をきたす場合も。
そのため、花粉症の方は車内の花粉対策も重要です。
車内の花粉対策は主に2つのポイントがあります。
- 車内に花粉を持ち込まない(花粉を入れない)
- 車内の花粉を除去する
車内に花粉を持ち込まないためには?
①車に乗る前に花粉を落とす
服などについた花粉を払い落としてから車に乗るようにしましょう。これは、自宅に入るときも同じです。
②服の素材を意識しよう
ライオン(株)の調査によると、ウール素材は綿と比較すると花粉の付着量が多いことがわかっています。
花粉は静電気で付着しやすいため、できるだけ静電気が発生しにくい綿などの素材のものを選ぶといいですね。
また、ウール製品を身につける場合は静電気防止スプレーを使うと花粉の付着を最小限に抑えることができますよ。
③車内に花粉を入れない
花粉の季節は窓を開けてしまうとあっという間に車内に花粉が入り込んでしまいます。できるだけ窓は開けないようにしましょう。
また、空気の入り口は窓だけでなくエアコンなどの空調設備からも入ってきます。
そこでおすすめしたいのが、高性能のエアコンフィルターです。
花粉や黄砂だけでなく、排気ガスやPM2.5、ウィルスの侵入も防いでくれるのでぜひチェックしてくださいね。
車内の花粉を除去するには?
どれだけ注意していても、車内への花粉の侵入を完璧に抑えることはできません。
そこで車内に入ってしまった花粉は便利グッズを使って排除するようにしましょう。
マイクロファイバーのハンディモップは車内に1本常備しておくと、花粉だけでなくホコリも簡単に除去することができます。
続いて紹介する「ナノテク除電クロス」は、花粉を拭き取るのはもちろんですが、静電気を予防することができるため一度使えば花粉が付きにくい環境を作ることができます。
花粉症がキツイ方におすすめしたいのが、車内でも使うことができる空気清浄機です。
費用が少しかかりますが、快適な車内空間と安全を得ることができますよ。
車内の花粉対策グッズは他にも色々あるので、自分の車や症状に合うものを選んでくださいね。
花粉はこまめな洗車と車内の対策で乗り切ろう!
花粉の時期は黄砂も飛来することから、車が汚れやすくボディへのシミなどトラブルが起こりやすい季節です。付着してしまうことは避けることができませんので、マメに洗車をするしかありません。
コーティング剤を施工すれば、花粉などの汚れはつきにくくなりますが、全くつかなくなることはありません。
ただし、コーテイングをしておくことで1回1回の洗車が楽になるだけでなく、汚れがつきにくいので洗車の頻度を抑えることもできます。
また、車外だけでなく車内の花粉対策も重要です。
安全運転のためにも便利グッズをぜひ取り入れてくださいね。