車に付いた虫の正しい取り方と予防策|放置は塗装に深刻ダメージ!

夏場や夜間のドライブ後、フロントバンパーやミラーにびっしりと虫の死骸が付いていた…そんな経験はありませんか?

実はこの虫汚れ、ただの見た目の問題ではありません。
放置していると「酸」が発生し、塗装を腐食させてしまうこともあるため、早めの対処が必要です。

本記事では、

  • 虫汚れを放置する危険性
  • 車に優しい虫の取り方(道具・手順)
  • 虫が付きにくくなるコーティング対策
    など、現役のプロが現場で実践している方法をわかりやすく解説します。

「虫が取れない…」「傷をつけたくない…」という方も、安心してご覧ください。

目次

虫汚れを放置すると塗装がダメになる理由

虫汚れは早めに除去

車のボディにこびりついた虫の死骸。
「あとで洗えばいいか…」と放置していると、想像以上に深刻な塗装ダメージを引き起こすことがあります。

なぜ虫汚れは危険なのか?まずはその理由を確認しましょう。

虫の死骸が酸を発生させる

虫の体内にはタンパク質や消化液などの成分が多く含まれています。
それが分解されると酸性物質が発生し、塗装面にじわじわとダメージを与えます。

さらに日光(紫外線)によってその分解反応は加速し、短時間でも塗装の色あせやクリア層の劣化が進行してしまうことも。

特にボンネットやフロント周辺は直射日光にさらされやすいため、数日放置するだけでシミや変色の原因になることもあるのです。

時間とともに硬化し、除去が困難に

虫の死骸は時間の経過とともに乾燥し、酸化や硬化が進みます。
これにより、通常の洗車では落としにくくなり、ゴシゴシこすってしまって逆に傷を付けてしまうケースも少なくありません。

特に夏場や暖かい日はこの硬化が早く、知らない間に頑固な汚れとして塗装に固着してしまいます。

こうなってしまう前に、早めの対処と適切な洗車方法が必要です。

車に付いた虫汚れを安全に除去する方法

ここからは、塗装を傷めずに虫汚れを安全・確実に落とす方法をご紹介します。

初心者でもできるやさしい方法から、プロが使う専用ケミカルまで、愛車を守るための実践的な虫取りテクニックを見ていきましょう。

泡たっぷりのシャンプー洗車でふやかす

硬化した虫汚れを落とす第一歩は「ふやかすこと」です。
カーシャンプーの泡をたっぷり使えば、虫の死骸を優しく包み込み、剥がれやすい状態にすることができます

洗い方のポイントは以下の通り:

  • バケツにカーシャンプーを適量入れ、水圧を使ってしっかり泡立てる
  • 虫が付いている箇所に泡をのせ、2〜3分置いてから優しく洗う
  • マイクロファイバークロスや柔らかいスポンジを使用する

泡の力だけで落ちるケースも多いため、まずはこの方法から試してみましょう。

虫取り専用クリーナーでピンポイント除去

より強固にこびりついた虫汚れには、虫取り専用クリーナーの出番です。

なかでも「Speciale three(スペチアーレ スリー)」は、虫の死骸に含まれるタンパク質を化学的に分解・膨潤させることに特化したプロ仕様のケミカルです。

使い方は簡単:

  1. クロスにSpeciale threeをスプレーする
  2. 虫が付いた箇所をやさしく拭き上げる
  3. 必要に応じて再度スプレー&拭き取り

こすらずに虫汚れがスッと落ちるので、塗装に負担をかけずにクリーニングできます。

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お湯やスチームで虫の死骸をやわらかくする

専用クリーナーが手元にない場合は、「お湯を使った蒸しタオル法」も有効です。

やり方:

  1. 70度前後のお湯をバケツに用意
  2. マイクロファイバータオルを浸してしっかり絞る
  3. 虫汚れの上にタオルを被せて3〜5分放置
  4. 軟化した虫の死骸を優しく拭き取る

※熱湯はボディの変形リスクがあるためNG。70℃前後がベストです。

雨の日を活かす自然派テクニック

意外な方法ですが、雨の日は虫取りのチャンスでもあります。

湿気と水分により、虫の死骸が自然とふやけるため、

  • 長距離走行後に雨が降ったタイミング
  • 雨上がりの洗車前 など

に、マイクロファイバーで軽く拭くだけで落ちることもあります。

ただし、完全に落ちない虫もいるため過信は禁物
取れない時は、無理にこすらず別の方法に切り替えましょう。

虫の汚れが落ちにくい原因とは?

虫の死骸は、鳥のフンや花粉、ホコリなどと比べても非常に落ちにくい汚れのひとつです。

その理由は「物理的な衝突」と「化学的な性質」の両方にあります。

なぜ市販のシャンプーや水洗いだけでは落としきれないのか?
その根本原因を知ることで、専用の虫取りケミカルの必要性も見えてきます。

走行中の衝突でボディに強くへばりつく

車が高速道路などを走行中、虫は前方からかなりのスピードでボディに衝突してきます。

その衝撃により、虫の体はバンパーやフロントガラス、ドアミラーなどに押しつぶされて密着
まるでステッカーのように、強くへばりついた状態になります。

特にスピードが出る高速道路では衝撃が強く、

  • 虫の破片が入り込む
  • 微細なひび割れやクラックの原因になる
    といった物理的ダメージにつながることもあります。

そのまま時間が経つと、乾燥や硬化が進み、通常の洗車ではこびりついた汚れが残ってしまうのです。

虫の体液に含まれるタンパク質が塗装に固着

虫が車に衝突すると、その場で体液や内臓の成分がボディに飛び散ります。

この虫の体液には、タンパク質・脂質・酸性物質などが含まれており、

  • 乾くと塗装表面に固着する
  • 紫外線によって酸化・硬化が進む
  • 化学変化で塗装にシミや変色を起こす

といった厄介な性質があります。

一度でも乾いてしまうと、シャンプーや水では分解されず、「物理的にこする」しかない状態になってしまいます。
これが洗車傷の原因にもなるのです。

だからこそ、虫汚れには「タンパク質を分解できる専用クリーナー」が必要不可欠。
落とすのではなく、「浮かせて分解して優しく除去する」ことが、塗装を守るうえで重要です。

虫汚れを予防するためにできる対策

虫が多い時は速度を落とそう

虫汚れは、どんなに注意していても完全に防ぐことはできません
しかし、**「付きにくくする」「落としやすくする」**という予防策を講じておけば、洗車時の負担や塗装へのダメージを大きく軽減できます。

ここでは、虫汚れの対策として有効な2つのアプローチをご紹介します。

コーティングで塗装を保護し除去を簡単に

虫汚れ対策としてもっとも効果的なのが、塗装面にコーティングを施しておくことです。

コーティングをしておけば、塗装の上に「膜」が形成されるため、
虫の体液やタンパク質が塗装に直接触れるのを防ぎ、固着しにくくなるのが大きなメリットです。

さらに、こびりついても表面に留まるだけなので、クリーナーや洗車でスムーズに落としやすくなります

おすすめは「Speciale グロスブースター」

『グロスブースター』は、
プロのコーティング専門店でも使用されている、艶・撥水・防汚性をバランス良く備えたコーティング剤です。

  • 日常の洗車後にスプレーして拭くだけでOK
  • 薄膜ながらも虫汚れや花粉などの固着を防ぐ
  • コーティング施工車にも使用可能

愛車を虫や紫外線から守りつつ、日々の洗車をもっとラクにしてくれる強い味方です。

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虫が付きやすいシーンでは走行に注意

虫汚れを完全に防ぐことはできませんが、虫が付きやすい状況を理解しておくことで、ある程度の予防は可能です。

以下のような環境では、虫との衝突リスクが高くなります:

  • 夜間走行
    → 街灯や車のライトに虫が集まるため、フロント周辺に大量に付着しやすい
  • 高速道路
    → 走行速度が速いほど、虫との衝突エネルギーが増加し、強くへばりつく原因に
  • 夏場(6月〜9月)
    → 気温と湿度が高く、虫の活動が活発になる時期。特に夕暮れ〜夜は要注意

🔧予防のポイント:

  • 夜間や高速走行を終えたら、なるべく早く洗車する
  • 虫が付きやすいフロント・ミラー・バンパーなどは重点的にチェック
  • 虫が多い季節は、あらかじめクリーナーやクロスを車内に常備しておくと安心です

虫汚れが付きやすい場所と洗車時の注意点

たっぷりの泡で洗車

虫の死骸は、目立つボンネットやフロントガラスだけに付くわけではありません。
見落としやすい場所にこそ、汚れが蓄積しやすく、放置による塗装ダメージの原因になることも。

ここでは、洗車の際に見逃しがちな虫汚れの「付きやすい箇所」と、洗車時に意識したいポイントを解説します。

ドアミラーやバンパーの虫汚れに注意

ドアミラーやバンパーは、車の外側に突き出しているため、走行中に虫とぶつかりやすい場所です。

特にドアミラーの側面や裏側は視認性が低く、洗車の際にサッと流して終わってしまいがちですが、
虫の死骸が見えない位置で固着し、塗装ダメージを引き起こしていることもあります。

また、バンパーは車の最前面に位置するため、最初に虫と接触しやすいポイント。
しゃがまないと見えない位置にも多く付着していることがあるため、洗車時にはしっかりチェックしましょう。

洗車時のポイント:

  • ミラーの下側やミラー本体との隙間に汚れがないか確認する
  • バンパーの下部や側面など、目線から外れる場所も要チェック
  • 虫が多く当たるフロントナンバープレートまわりも忘れずに

長距離走行後は下部までくまなくチェック

高速道路やバイパスなどを長時間走行したあとは、思わぬ場所に虫汚れが付着していることがあります。

たとえば:

  • グリルまわり(網目の中など)
  • フォグランプまわり
  • サイドステップやホイールハウスの縁
  • 下回りのスプラッシュガード部分

などは、通常の洗車ルーチンでは見逃しがちなポイントです。

長距離走行後は、いつも以上に細かい部分まで目を配りながら洗車することで、虫の酸化・硬化によるダメージを未然に防げます。

プロの視点からのアドバイス:

  • 洗車前に一度ライトを当ててチェックすると、虫汚れの位置がわかりやすくなります
  • ふやかしてから除去することで、塗装を傷めずに美しく仕上げることができます

車の虫取りにおすすめのアイテム一覧

虫汚れを落とすには、汚れの状態や量に応じたアイテム選びが重要です。
ここでは、プロも推奨する虫取りアイテムを3タイプに分けてご紹介します。

「ちょっと付いただけ」から「ガッツリこびりついた汚れ」まで、それぞれに最適な道具があるので、目的に合ったアイテムを選びましょう。

虫取りシート(軽度の汚れ向け)

軽い虫汚れや、運転中に1~2匹ぶつかっただけという状況なら、「虫取りシート」が便利です。
使い方は簡単で、ウェットシート感覚で拭くだけ。携帯にも便利なので、出先での応急処置としても活躍します。

おすすめシーン

  • ドアミラーやナンバー周りのピンポイント汚れ
  • 洗車前にサッと下処理をしたいとき

代表的な製品

  • ソフト99 フクピカ虫・フン取りシート(強化タイプ)

ただし、大量の虫汚れや硬化が進んだ汚れには効果が薄いため、使用場面を見極めましょう。

虫取りスポンジ(水だけで使えるタイプ)

洗車時にカーシャンプーを使わずに落としたい方や、コーティング施工車にも使いやすいのが「虫取りスポンジ」。

特殊加工された面が、ボディにこびりついた虫を水だけでやさしくこすり取ることができる設計です。

おすすめシーン

  • シャンプー不要で手軽に済ませたいとき
  • 虫が多く付着したバンパーやナンバープレート周辺

代表的な製品

  • カーメイト パープルマジック 虫取りスポンジ

スポンジは適度に柔らかいとはいえ、使用時は力を入れすぎないことが大切です。
コーティング施工車の場合は、目立たない場所で一度試すのが安心です。

虫取り専用クリーナー(こすらず落とすタイプ)

虫汚れをもっとも塗装に優しく、安全に除去するなら、専用ケミカルの使用がベストです。

中でも「Speciale three(スペチアーレ スリー)」は、虫の体液に含まれるタンパク質を分解・膨潤させて浮かせて落とすために開発されたプロ仕様のクリーナー。

特徴:

  • こすらず落とせるため、洗車傷の心配なし
  • スプレーしてクロスで拭くだけの手軽さ
  • コーティング施工車にも安心して使える

おすすめシーン

  • 頑固な虫汚れが固着してしまったとき
  • フロントバンパーやミラーなどの虫汚れが多いとき
  • 洗車傷を極力避けたいとき

塗装を守りながらしっかり虫汚れを落としたい方に、最もおすすめの1本です。

バグクリーナー

Speciale three(スペチアーレスリー)はタンパク質の分解、膨潤に特化した車専用のケミカル。

吹きかけて付属のクロスでさっと一拭きすれば、あっという間に虫の死骸や汚れが取れるので、大切な車を傷つける心配がありません。

まとめ|虫汚れは放置せず、早めの対処を!

車に付着した虫の死骸は、放っておくと塗装に深刻なダメージを与える厄介な汚れです。

  • 時間が経つと酸を発生して塗装を侵食
  • 紫外線や酸化で硬化・除去困難に
  • ゴシゴシこすれば洗車傷の原因にも

そのため、虫汚れは「見つけたらすぐに落とす」が鉄則。
そして、普段からコーティングで塗装を守っておくことが最大の予防策です。

本記事でご紹介したように、

  • 泡たっぷりのシャンプー洗車
  • 専用クリーナー(Speciale three)による除去
  • コーティング剤(グロスブースター)による予防

といった方法を正しく実践すれば、虫汚れから愛車をしっかり守ることができます。

「たかが虫」と油断せず、プロも実践する虫取り対策をぜひ日常のカーケアに取り入れてみてください。

その効果は、動画で紹介されているので参考にしてください。

森 新
セラミックコーティング専門店「GLOSSY」/カーケアブランド「SPECIALE」代表

25年以上にわたり自動車塗装・ディテーリングの現場で専門技術を培い、累計1,000台以上の施工を担当。新潟の雪・融雪剤環境に適した高耐久セラミックコーティングや下回り防錆、洗車メンテナンスの専門家。各種コーティングメーカー認定施工技術者として活動中。

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