自分でガラスコーティングを施工しようと思った時に、どうしても頭をよぎるのが『失敗』というワードではないでしょうか。
この記事ではあなたがDIYガラスコーティングで失敗しないためのコツをお伝えしていきたいと思います。
僕がガラスコーティング歴15年の経験で培ったノウハウを濃縮して書いたので是非参考にしていただけたら嬉しいです。
この記事を読み終えるとDIYガラスコーティングで起こりうる代表的な『失敗』を完全に回避することができるようになります。
まずはよくある失敗5選を全ての紹介。その後に失敗回避のテクニックをお伝えしていきますね。
ガラスコーティングの施工でよくある失敗5選
失敗 1、塗りムラ、塗り漏れ
塗りムラや塗りスジの原因は主に2つ。
1つ目が、『塗装面の汚れ』『微細な洗車キズ』など、塗装面がクリーンになっていないことによるもの。
2つ目が、コーティング液剤の塗布量が一定でないことによるもの。
良い下地を作りと適切なコーティングの塗布量を知ることで失敗を防ぐことができます。塗り漏れ、塗り忘れは施工順序をしっかり決め、メモを取るなどで防げます。
失敗 2、拭き取りムラ、拭き残し
拭きムラや拭き残しが発生する1番の原因は拭き取りの方法を間違えていること、2番目の原因は気温と湿度による乾燥速度への対応ができていないことによるものです。
施工に適した気候の日を選び、正しい順序を守り、正しい道具を使用することで失敗を防ぐことができます。
失敗 3、硬化不良、定着不良
ガラスコーティングはその大半が空気中の水分を利用し酸素と結びつくことで硬化します。気象条件が整わなければ硬化不良を起こしてしまい、コーティング本来の機能を発揮することができません。
雨や夜露などの水分や、梅雨時期の高温多湿を避けることで失敗を防ぐことができます。
失敗 4、艶、光沢感が出ない
艶、光沢が出るかどうかはDIYコーティングの場合、施工環境や、使う道具などによる部分は2割ほどと小さく、実に8割ほどはコーティング選びで決まってしまいます。
下地が同じ条件なら艶、光沢の良さはコーティング剤の性能に大きく左右されてしまうので、正しい知識を持ってコーティングを選ぶようにしましょう。
失敗 5、作業完了時刻オーバー
コーティングを施工しようと思い立った時ってテンションが最高潮に上がっている時なので早く作業したくてウズウズしちゃいますよね。僕も新しいコーティング剤を導入したときなどはあなたと同じくワクワクしてすぐに施工したくなります。
ただ、この罠にハマっちゃうと、強運の持ち主か、センスの塊みたいな人じゃない限り、大体トラブルが起きます。はやる気持ちをグッとガマンしてしっかりと計画、道具の準備を整えて作業に取り掛かりましょう。
失敗の予防策と対処法『プロ解説』
塗りムラを出さない下地作りの超基礎
良いコーティング下地とは、塗装面に不純物がないことが絶対。
塗装面に付着している不純物とは主に下の3つのことです。
『油系汚れ』ピッチタールと呼ばれるものや、『グリス』や『ワックスカス』などの汚れの総称です。
『タンパク質系汚れ』代表的なものは『虫の付着』ですが、その他にも『花粉』や『爪が擦れた痕』もタンパク質です。
『ミネラル系汚れ』『鉄粉』『融雪剤』『水道水中』のミネラル分などがこれです。
これらを適切な洗剤で取り除けばムラのできにくいパーフェクトな下地の完成。僕ら専門店が使っている洗剤は下のリンクから購入できるのでよかったら試してみてくださいね。
塗りムラを出さないプロの塗り方
塗りムラを発生させないためには、塗布スポンジなどに染み込ませる液剤の量を適正にする必要があります。
説明書に記載の量を守るのがセオリーですが、施工開始1箇所目は、塗布ポンジに吸収される分も計算に入れ、やや多めにつけると液剤不足による『カスレ』を防ぐことができます。
ちなみに、プロの塗布方法はこんな感じ。
パネルの中心に「×」を描いてから縁、を塗り、そのあと、縦→横という要領で塗り込めば、塗布量が一定になりやすく、溶剤切れによる塗りスジの発生を完璧に防ぐことができます。
また、塗り進めている部分の3分の1くらいを塗り重ねながら進むと塗り漏れやカスレなく塗ることができます。
もし1発で成功する自信が持てなければ、サイドミラーなどの小さい範囲で練習すると安心です。
拭きムラ、拭き残しを防ぐプロの技
Point・・・・・クロスの枚数と上手な光の使い方が鍵!
拭き取りクロスを1パネルに対して2〜3枚用意して、ローテーションを組んで使うと短時間でスッキリと仕上げることができます。
Step-1 まず、粗拭きを行います。この段階ではキレイに仕上げる必要はないということを肝に銘じておきましょう。イメージとしては7割から8割くらいをクロスの方に吸収させてあげる感じでOKです。
この段階は少しギラつきがあるのが正解です。ゴシゴシ擦ったり何度もしつこく擦ってしまうとせっかく形成されようとしている皮膜まで削ぎ落としてしまいます。手の重みくらいの力で優しく拭き取れば本来の皮膜の厚みを持たせることができます。
Step-2 次に、2枚目のクロスで本拭きを行います。ここでは拭きスジやギラつきがほぼ無くなるように優しく繰り返し拭いていきましょう。
Step-3 最後に、3枚目のクロスを使って仕上げ拭きです。拭きスジや拭きムラは後で処理するのがとても困難なので妥協せず丁寧に行います。
特に『ドアやフェンダー』の外枠部分。『ドアカップ』『ナンバープレート周辺』『スポイラー』『エンブレム周り』などの入り組んだところは拭き残しやすいので『ぜっっっっっっったい』ライトを使って何度も確認してほしいです。
人の目は一定の条件下(光の質や明るさ、角度)でしかムラやスジを認識できないので、上下左右からライトを照らして何度も確認しましょう。
Point・・・・・最終確認はやはり自然光が最強です。『直射日光』や『西陽』で見えるギラつきもありますし、曇天の光『方向性のない、究極の分散光』なら、人工の光で見えなかったムラを簡単に発見できるのでオススメです。
硬化不良、定着不良回避のポイント
塗布面のクリーンさと気象条件が整えば誰でも簡単にDIYコーティングを成功させることができます。
塗布面の下地作りについては前項で解説したので、ここでは気象条件についてお伝えしていこうと思います。
コーティング剤の種類によって適正温度は少し変わりますが、23℃±5℃くらいを目安にすれば問題ないでしょう。真夏や真冬は避け、曇りの日などを狙って予定を立てると良いです。もし雨や夜露で濡れてしまったらクロスで優しく拭き上げましょう。翌日見て白ボケやシミになっていなければ大丈夫です。
Point・・・・・もし適正条件から外れる環境でどうしても施工しなくてはならない場合は、気温に応じて拭き取りまでの置き時間を調節します。暑い日は早めに拭き取る。寒い日は説明書記載の置き時間の倍以上おく方が良い場合もあります。
艶、光沢を出すのに一番大切なコト
Point・・・・・コーティング剤の選定でリスク回避を
コーティング剤の種類は『簡易系コーティング』と『硬化系コーティング』に大別され、いずれのコーティング剤もメリットとデメリットがあります。
スプレー式などの『簡易系コーティング』は施工性が良く、簡単に艶を得られる反面、耐久性は数ヶ月程度のものが殆どです。
一方『硬化系コーティング』は価格が高いものが多く、施工には整った下地と施工環境、施工知識や技術が必要となり、失敗のリスクも大きいです。その代わり条件が揃った時はパキッとした艶を放つ製品もあるのが魅力です。
注意しなければならないのは、市販品に限っては、『簡易系コーティング』、『硬化系コーティング』共に、シリコンやシリカ成分を含む製品が多いため、水道水中のカルシウムと結合しやすくシミの原因になりやすい点です。
もし、市販品でシミの付着を回避したいなら、『天然カルナバWAX』が優秀です。『天然カルナバWAX』は『カルナウバヤシ』から抽出される希少なロウ成分(有機質)で構成されており、(無機質)であるミネラルの固着がありません。
カルナバWAXはも耐久性はありませんが、しっとりとした艶と触り心地があり、シミを予防できるという大きなメリットがあります。
宣伝になりますが、弊社で『高級カルナバWAXの艶』と頑丈な『セラミックコーティングの強さ』を融合したハイブリッドコーティングをリリースしています。スプレー式で誰でも簡単に施工できるので、もしよかったら下のURLからご覧ください。
作業時間オーバーしないためのコツ
事前にしっかりと予定を立てて、準備もしっかりしたはずなのに施工が完了したのは夜の10時・・・・・
自分でガラスコーティングを施工したことがある方なら身の覚えのある話かもしれません。
きっちり予定を立てて予定の時間内に終わらせようなんて、僕らプロでも毎回できるかというとちょっと怪しいです。お車のコンディションは1台1台異なりますし、僕みたいに40歳を過ぎると一日中作業していると途中で体力の電池が切れてしまうこともあります。
なので、僕らはスムーズに作業が進んだ場合の1.5倍くらいの時間見積もりで作業を進めます。これくらいに設定しておくと、もし時間に余裕があった時には入念に見直しができるし、自ずと全体のクオリティが向上します。
間違っても説明書に書いてある作業時間なんてあてにしちゃダメですよ。
Point・・・・・必要な道具の再確認と天気予報のチェックは必ずしましょうね。
それでも失敗しちゃったらどうする!?
どれだけ準備万端で臨んでも失敗してしまうことはあるんです。
なので、失敗してしまった時にどうリカバリーするかを事前に考え、準備しておくとイライラしなくて済みます。
肩の力の抜けた良い感じの緊張具合で進めることで成功する確率もグンと上がると思いますよ!ここではざっくり2パターンの対処方法をお伝えできたらと思います。
対処1、自分でコーティングを除去
もしムラや拭き残しを発見してしまっても焦らないでください!ここで焦ってゴシゴシ擦ってしまうと深い傷が入ってしまって逆に余計な時間と労力を費やさなくてはなりません。
まずは落ち着いて、どの範囲にムラができているのかをしっかりと把握しましょう。
ムラが確認できたらその場所の付近に『マスキングテープ』などで印をつけてムラの位置関係をスマホで撮影しておくとムラを見失っても見返して狙いをつけることができます。
ケミカルで除去する方法
『アルカリ性ケミカル』や『酸性ケミカル』を使って除去する方法もあります。この方法はうまくいくとコーティング層を残したままムラだけが取れてくれることもありますが、念のため作業した部分の周辺は再コーティングすると良いでしょう。
硬化方コーティングのムラに対応した酸性クリーナーがSPECIALE ONE 、樹脂系や簡易系コーティングを溶解させるアルカリ系クリーナーがSPECIALE THREEになります。
製品はこちらから購入できます。
研磨剤で除去する方法
ケミカルで取れなかった場合は、マイクロファイバークロスの端に超微粒子研磨剤をつけ、優しく往復させるように撫でてムラを消していきます。
ムラがなくなったことを確認できたら中性のカーシャンプーで洗浄し、よく水分を取った後に、ムラを消した箇所より少し広めにコーティング剤を塗り、ボカす様に広く拭き上げてから乾燥させましょう。
対処2、業者にムラの除去を委託
検索してる写真(スマホ PC?)
ムラを発見するタイミングが遅かったり、範囲が広い場合は手作業で取り切ることはかなり難しくなり、腕がパンパンに張って数日後には腕だけマッチョになってしまう可能性があります。
よほど時間と体力に余裕がある人以外は早めにコーティング専門店に助けを求める方が良いでしょう。
『新潟 カーコーティング』みたいに、あなたのお住まいの地域+コーティングなどでググって上位3店舗くらいに連絡を取ってみるともしかすると請け負ってくれるところが見つかるかもしれません。
費用はお店によっても異なりますし、そもそも部分施工をやっていないお店もあるので、根気よく探しましょう。ざっくり費用としては1パネル1万円〜2万円くらいかな?と思います。
ガラスコーティングで失敗しない為の準備品リスト
☑︎明るいライト、
☑︎アプリケーター、
☑︎マイクロファイバークロス(多めに)
☑︎洗車用具(バケツ、カーシャンプー、ハケ、ケミカルなど)
☑︎拭き残しリカバリー用研磨剤(超微粒子)
☑︎マスキングテープ
ガラスコーティングで失敗しない為のチェックリスト
✅ 液剤の量と塗り進めの順序は適切ですか?
✅ 十分なクロスの枚数を用意していますか?
✅ 拭き取り後、ライトを使ってムラ、拭き残しを確認しましたか?
✅ 塗布前の下地はクリーンな状態になっていますか?
✅ 気温、湿度、風の有無など、施工環境は適切ですか?
✅ 質の良い、施工しやすいコーティング剤を選びましたか?
✅ 余裕を持った時間の組み立てはしていますか?
✅ 道具の準備は万端ですか?
失敗せず確実に成果を上げる方法
ここまで読んでくれたあなたなら硬化型のコーティングでもかなり高い確率で失敗せずに施工を完了できることと思います。
ただ、もしあなたがもっと簡単に、高いパフォーマンスでコーテイングを成功させたいなら、是非一度僕が自信を持ってお勧めできるスプレー式ハイブリッドコーティングを試していただけませんか?
製品開発には自信があるのできっとあなたに喜んでもらえると思います。
もしよかったら下のリンクからスプレー式ハイブリッドコーティングの詳細を見てみてくださいね。
長い記事を最後まで根気強く読んでくれて本当にありがとうございます。もしあなたのカーケアスキルを少しでも向上させられることができたら筆者としてとても嬉しく思います!!
筆者 森 新