初めてセルフ洗車場を利用する時、「どこから始めればいいの?」「高圧ガンってどう使うの?」と不安に感じる方は多いはずです。
セルフ洗車場(=コイン洗車場)は、数百円でプロのような設備を使える便利な場所ですが、正しい手順やマナーを知らないと、思わぬトラブルや仕上がりの差につながります。
本記事では、初めてでも失敗しないセルフ洗車場の使い方を、プロの視点で分かりやすく解説します。
準備する道具から高圧ガン・泡洗車の操作手順、混雑時のマナー、季節ごとのポイントまで網羅。
この記事を読めば、次の洗車が「面倒な作業」から「気持ちいい習慣」に変わります。

セルフ洗車場とは?【コイン洗車との違い】
セルフ洗車場とは、自分で洗車設備を操作して車を洗う場所のことです。
高圧ガンや泡洗車機、掃除機などが設置されており、時間単位で機材を借りて使うスタイルが一般的です。
利用者自身が「水をかける」「シャンプーで洗う」「拭き上げる」といった工程を行うため、自由度が高く、仕上がりを自分好みに調整できるのが大きな魅力です。
一方で「コイン洗車場」という呼び方もよく使われますが、意味はほぼ同じです。
昔は硬貨を入れて機械を動かす形式が多かったため「コイン洗車場」と呼ばれていましたが、最近ではプリペイドカード式やスマホ決済対応のセルフ洗車場も増えています。
つまり「セルフ洗車場=コイン洗車場」と考えてOKです。
「自分で洗いたい」「洗車機では落ちにくい汚れを落としたい」という人にとって、セルフ洗車場はコスパと仕上がりを両立できる最適な選択肢です。
洗車機との違いについて詳しく知りたい方はこちら
利用前の準備【必要な持ち物リスト】
セルフ洗車場を快適に使うためには、必要な道具を事前にそろえておくことが大切です。
現地で借りられるのは「水」「高圧ガン」「泡洗車機」「掃除機」などの設備だけ。
洗車に使う細かい道具は基本的に持ち込みになります。
以下のリストを参考に、準備を整えてから出発しましょう。
必ず持っていきたい基本アイテム
道具 | 目的・ポイント |
---|---|
バケツ | 泡立て用やスポンジのすすぎに使用。2つあると便利。 |
洗車スポンジ/マイクロファイバークロス | ボディをやさしく洗う・拭き上げる基本ツール。 |
カーシャンプー | 泡洗車機を使わない場合に必要。中性タイプがおすすめ。 |
吸水タオル(セーム・マイクロファイバー) | 仕上げの拭き上げ用。吸水力の高いタオルを選ぶと時短に。 |
小銭(100円硬貨)またはプリペイドカード | 機材利用用。両替機がない店舗もあるため事前準備が安心。 |
手袋・長靴・防寒着(冬季) | 水が冷たい季節は防寒対策が必須。 |
あると便利なプラスアイテム
道具 | 目的・ポイント |
---|---|
ホイールブラシ・タイヤ用スポンジ | ブレーキダストや泥汚れ落としに最適。 |
スプレータイプの撥水剤・コーティング剤 | 洗車後のツヤ出し・防汚効果アップ。 |
内装用クロス・掃除機用ノズル | 室内清掃にも対応できるように。 |
延長コード・バッテリー式ブロワー | 水滴飛ばしや隙間乾燥に便利(許可制の場合あり)。 |
持ち込みNGの可能性があるもの
- 自家製の泡立て機(電源使用NGの店舗あり)
- 強酸・強アルカリ性のケミカル
- 床に直接置くバケツやゴミの放置行為
※店舗ごとに「持ち込みルール」や「時間制限」が異なるため、看板や注意書きを必ず確認しましょう。
設備の種類と使い方
セルフ洗車場には「高圧ガン」「泡洗車機」「掃除機」「マット洗浄機」など、さまざまな設備が設置されています。
基本的にはすべてコインまたはプリペイドカードで時間制になっており、1回5分〜8分ほどの利用が一般的です。
それぞれの設備の役割と、正しい使い方・注意点を理解しておくと、安全かつ効率的に洗車ができます。
① 高圧ガンの使い方
セルフ洗車場の中心的な設備が「高圧ガン(高圧洗浄機)」です。
強力な水圧でボディ表面の砂や泥を落とせるため、最初の“予洗い”で最も重要な工程になります。
使い方の流れ
- コースを選び、ノズルをしっかり握ってからスタート。
- 車体から30〜40cm離して噴射(近すぎると塗装やエンブレムを傷める可能性あり)。
- 下から上へ順番に吹き上げると、汚れ残りを防げます。
- タイヤハウスや下回りも忘れずに。
ポイント
- 水圧は非常に強いため、スマホや開いたドア方向へは絶対に噴射しない。
- ノズルを人やペットに向けるのは厳禁。
高圧ガンは“水をかける”のではなく、“汚れを浮かせて落とす”意識で。
一方向からなでるように吹き上げることで、塗装を傷めずにスッキリ仕上がります。
② 泡洗車(フォームガン)の使い方
「泡洗車機」や「フォームガン」は、シャンプーを混ぜた泡を広範囲に吹き付ける装置です。
泡が汚れを包み込み、摩擦を減らして洗えるため、傷を防ぎながら効率よく洗浄できるのが特徴です。
使い方の流れ
- 高圧洗浄で砂・ホコリを落としたあとに使用。
- ノズルを車体全体に向け、均一に泡をかける。
- 泡を2〜3分ほど置き、汚れを浮かせる。
- スポンジで優しく洗う(円を描かず、直線的に動かすのがコツ)。
ポイント
- 泡の密度が薄い場合は、洗車場の水圧やノズル詰まりを確認。
- 炎天下では泡が乾く前に手早く作業を。
泡が“白く長く残る”のが理想。泡立ちがすぐ消える場合は、シャンプー濃度が低いか、水が硬い可能性があります。
泡洗車後のすすぎは、高圧ガンで一気に流すのが鉄則です。
③ 掃除機・マット洗浄機の使い方
セルフ洗車場には、ボディだけでなく車内清掃用の掃除機やマット洗浄機が設置されている場合もあります。
室内のホコリや砂を吸い取ることで、洗車後の清潔感がぐっとアップします。
使い方の流れ
- 車内のゴミをざっと取り除く。
- 100円を投入してホースを差し込み、シート下・フロアマットを重点的に吸引。
- ノズルを勢いよく引っ張らず、ゆっくり滑らせる。
- 使用後はホースを元の位置に戻し、電源が切れていることを確認。
ポイント
- 車内に濡れたマットを戻すとカビの原因になるため、しっかり乾かす。
- 吸引中にエンジンをかけっぱなしにしない(安全上の注意)。
セルフ洗車場での洗車手順【コイン洗車の流れ】
ここでは、初めてでも迷わず進められる基本の洗車手順を紹介します。
コイン洗車場では高圧ガンの操作時間に制限があるため、手際と順序が重要です。
以下の7ステップを意識すれば、効率よく・ムラなく・プロ並みの仕上がりに近づけます。
- 洗車用具をブース横にセット(通路にはみ出さないように)
- 小銭またはプリペイドカードを手元に準備
- 車のドアや窓をしっかり閉め、ワイパーを立てる
コース選択前に、作業の流れを一度頭でシミュレーションしておくと慌てません。
時間制コースの場合、始まった瞬間からカウントが進むため、準備を整えてから投入しましょう。

- 車体全体を下から上へ向けて水圧で洗い流す
- 特に下回り・ホイール・フェンダー内は入念に
- 泥や砂を落とすことで、次のスポンジ洗いで傷を防げます
水圧で「汚れを浮かせる」ことを意識すると、後の洗浄が格段に楽になります。
エンブレムやステッカー部分は距離を30〜40cm空けて安全に。

- 泡洗車コースを選び、車全体にたっぷりと泡をかける
- 泡を2〜3分ほど置いて汚れを浮かせる
- スポンジで優しく洗う(円を描かず、直線的に)
- 泡が乾く前に作業を進めるのがコツ
泡が乾くと洗剤成分がボディに残り、シミの原因になります。
夏場は日陰のブースや夕方の時間帯を狙うのがおすすめ。

- 上から下へ向けて、泡を残さず洗い流す
- ミラー裏・バンパー下などの残り泡に注意
- 泡残りがあると、拭き上げ時にムラやシミの原因に
泡が完全に取れるまで念入りに。
“洗剤を流す”よりも“ボディを冷やす”イメージでたっぷり水をかけると◎。
- 撥水コースがある場合はここで選択
- 自前のスプレー式コーティング剤を使用してもOK(許可制の店舗もあり)
- ボディ全体に均一に塗布し、軽く拭き上げて定着させる
スプレー式は「濡れたまま」使えるタイプが便利。
撥水剤を塗りすぎるとムラになるため、1パネルずつが基本です。
- 吸水力の高いタオルで上から順に拭く
- ドア内側・給油口・ミラー裏など水が溜まりやすい場所を重点的に
- 拭き残しがあると水垢の原因になる
仕上げ用に乾いたクロスを1枚別で用意しておくと、ツヤ感がワンランクアップします。
- フロアマットを取り出し、専用洗浄機で泥や砂を落とす
- 掃除機でシート・トランク・足元を吸引
- 室内も一緒に仕上げることで、洗車の満足度が大きく向上
最後に「ドアヒンジ」や「ゴムモール部分」を拭くと、見た目の清潔感が格段に上がります。

セルフ洗車場のマナーと注意点
セルフ洗車場は、誰でも自由に利用できる反面、利用者同士のマナーやルールを守ることが求められる場所です。
特に休日や天気の良い日は混雑しやすく、ちょっとした行動が他の利用者に迷惑をかけることもあります。
以下のポイントを押さえておけば、気持ちよく利用できるだけでなく、トラブルの予防にもつながります。
使用時間を守る(次の人を待たせない)
- 高圧ガンの時間は5〜8分が一般的。延長を繰り返すとトラブルのもと。
- 一度終えたら、一旦ブースから車を出すのがマナー。
- 拭き上げや仕上げは、専用スペースに移動して行いましょう。
混雑時は「ブース占有=周囲のストレス」。
短時間で仕上げたい方ほど、あらかじめ作業の順番を決めておくとスムーズです。
泡やゴミを残さない
- 使用後は周囲に飛び散った泡や水を軽く流しておく。
- ゴミ(使用済みクロス・空ボトル)は必ず持ち帰る。
- バケツの水をそのまま排水溝に流すのはNGの店舗もあるので、看板を確認。
次の人が気持ちよく使えるようにするのが「洗車仲間のマナー」。
特に泥汚れやペットの毛が付いたバケツ水は、そのまま流さないのが基本です。
大音量での作業・長居を避ける
- 音楽・アイドリング・会話音など、周囲への配慮が必要。
- 夜間(22時以降など)は特に静粛が求められる。
- 長時間の撮影・複数人での談笑は他の利用者の迷惑になります。
最近は「撮影OK」と「撮影禁止」の店舗が分かれています。
SNS投稿をする際は、ナンバープレートや他車が映らないように注意しましょう。
水圧・風向きに注意(他車・歩行者への配慮)
- 高圧ガンの水しぶきは5m以上飛ぶことも。
- 隣のブースや通路に人がいる場合は、噴射角度を下げる。
- 洗剤・泡が風で飛ぶ場合は、一時的に停止するのが安全。
特に風の強い日は、風下に他車がいないブースを選ぶのがコツです。
少しの気遣いで印象も良くなり、常連同士のトラブルも防げます。
冬季の注意点(凍結・水漏れ)
- 水が凍る夜間や早朝は、床がスケートリンクのように滑りやすい。
- 洗車後の水をそのままにせず、最後に高圧で床を流して凍結を防止。
- 手袋や防寒着を着用し、霜焼け・凍傷を防ぐ。
新潟のような雪国では、ブーツの裏に水が残ると滑りやすくなります。
安全第一で、昼間の気温が上がる時間帯を選ぶのがおすすめです。
季節・天候別のポイント【冬・夏・雨の日】
セルフ洗車場は一年中利用できますが、季節や天候によって注意点や最適な洗車タイミングが異なります。
特に冬場の凍結や、夏場の炎天下、花粉・黄砂シーズンなどは、正しい方法を知らないと塗装を痛めてしまうことも。
ここでは、季節ごとのポイントを押さえながら、快適に洗車するためのコツを紹介します。
冬の洗車:凍結と塩害に注意
雪国や寒冷地では、「冬は洗車しない方がいい」と思われがちですが、実は逆です。
融雪剤や道路の塩分がボディや下回りに付着したまま放置すると、サビの原因になります。
ポイント
- 気温が上がる昼過ぎ(11〜15時頃)に洗車する
- 洗車後は拭き上げを素早く行う(凍結防止)
- ドアパッキンやヒンジにシリコンスプレーを塗って凍結を防ぐ
- 下回り洗浄機付きブースを選ぶと、塩害対策に効果的
夏の洗車:炎天下では泡が乾く前に注意
気温が高い夏は、水や泡がすぐ乾いてしまうため、炎天下での洗車は塗装トラブルの原因になります。
ポイント
- 直射日光を避け、夕方や早朝に洗車する
- 泡が乾く前にすすぎを行う(シミ防止)
- ボディが熱い時は、水で一度冷やしてから洗車開始
- 洗車後はボディを日陰で乾かすのが理想
雨の日・雨上がりの洗車:実はおすすめのタイミング
ポイント
- 雨の後は泥や花粉が柔らかくなっているため、短時間で効果的
- 雨上がりすぐの洗車なら、水道水の乾燥跡(シミ)も出にくい
- 強風・雷の可能性がある場合は中止
花粉・黄砂シーズンの洗車:放置は厳禁
春先に多い花粉や黄砂は、放置すると塗装を侵食する酸性汚れに変わります。
特に暖かい日差しで乾くとシミになりやすいため、定期的な洗車が欠かせません。
ポイント
- 花粉・黄砂が付着したらできるだけ早めに洗車
- 乾いた状態で擦らず、まずは高圧ガンでたっぷり水をかけて落とす
- 洗車後は中性シャンプー+拭き上げで仕上げる
セルフ洗車場を賢く使うコツ
洗車は「正しい手順を守る」だけでなく、効率よく・気持ちよく仕上げる工夫が大切です。
常連の人たちは共通して「タイミング・道具・段取り」が上手。
ここでは、プロや常連が実践している“賢い洗車場の使い方”を紹介します。
1. 混雑を避けるなら「朝一 or 雨上がり直後」が狙い目
- 土日や晴天の午後は混雑しやすい。
- 平日の朝(7〜9時)または雨上がり直後が最も空いている時間帯。
- どうしても休日に行く場合は、**夕方前(16時頃)**が比較的空いています。
2. 自分専用の“洗車セット”を車に常備する
- 洗車道具を毎回まとめ直すのは意外と面倒。
- 「洗車専用ボックス」を車に積んでおくと、思い立ったときにすぐ洗えます。
- バケツ・クロス・シャンプー・撥水剤・手袋をひとまとめに。
3. 泡と高圧の“使い分け”を覚える
- 「泡洗車 → 高圧すすぎ」は基本の流れ。
- 砂や鉄粉が多いときは、高圧だけで先に汚れを落とすのが安全。
- 夏場は「部分ごとに泡→すぐ流す」方法で乾燥を防げます。
4. コーティング剤で「汚れにくい車」に仕上げる
- 洗車の最後に、スプレータイプの簡易コーティング剤を使用すると、次回がラクになります。
- 撥水タイプなら水切れが良くなり、拭き上げの時間も短縮。
- 定期的に使用することで、水垢・花粉・虫汚れが付きにくくなる。
5. 常連が意識している“スマートな振る舞い”
- 洗車中に道具をきれいに並べる(見た目も大切)
- 終了後はブースを軽く水で流す
- 他の利用者に「どうぞ」と声をかけられる余裕を持つ
まとめ|セルフ洗車場を上手に活用して“プロ並みの仕上がり”に
セセルフ洗車場は、上手に使いこなせばプロに頼まなくても納得の仕上がりを実現できる場所です。
今回紹介したように、
- 道具の準備(忘れ物防止)
- 正しい手順(予洗い → 泡 → すすぎ → 拭き上げ)
- 他の利用者への配慮(マナーと時間管理)
を意識するだけで、初めての方でもスムーズに洗車ができます。
また、季節ごとのポイントを押さえることで、塗装の劣化やサビの進行も防止可能。
定期的にケミカル(撥水剤やコーティング剤)を使えば、汚れにくくツヤのあるボディを長く維持できます。
洗車場での時間は、単なる作業ではなく、愛車と向き合うリフレッシュのひととき。
天気の良い休日や仕事帰りに、少し時間を取って洗ってみるだけで、車も気持ちもスッキリ整います。
正しい使い方+ほんの少しのコツで、セルフ洗車はもっと楽しく、もっとキレイになります。