こんにちは。新潟市のカーコーティング専門店グロッシーの森です!
突然ですが、あなたはクルマを洗っていて、どうしても落ちない茶色い斑点状の汚れに悩まされたことはありませんか?
あのザラザラしたやつですよ!!
その正体は、、、、、、、そう。鉄粉です。
鉄粉とは、空気中の鉄粉や車のブレーキローターやブレーキパッドが削れたブレーキダストが直接または間接的にボディーに付着して酸化し、 固着したものです。
ブレーキやホイール周りは下の写真のように鉄粉まみれです(苦)
鉄粉は酸化するとボディーに固着するため、通常の洗車ではなかなか落とすことができない汚れなんです。
しかも間違ったやり方で洗車や鉄粉取りをすると、傷だらけになってしまうことも。
今回は鉄粉汚れの特徴と正しい除去方法について紹介していきます。
車の鉄粉汚れとは?
洗車時にザラザラとした感触を感じることはありませんか?そのザラザラは鉄粉が原因のことがほとんどです。
ただし、必ずしも「ザラザラ=鉄粉」ではありません。
建築現場から飛来したペンキのミストや、水染みの場合もあります。鉄粉は茶色や黒っぽい色をしているので他の色の場合は別の付着物の可能性が高いです。
鉄粉が付着しているか確かめてみよう
鉄粉汚れを確認するには、お菓子やたばこの包装されている透明フィルムが便利です。洗車後にフィルムの上からボディを優しく撫ぜてみましょう。
ザラザラした感触があれば鉄粉汚れです。
鉄粉は突き刺さっているわけじゃない
よく、鉄粉はボディーに突き刺さると書かれていますが、決して刺さっているわけではありません。
付いたばかりの鉄粉は、ボディの上に乗っかっている状態ですが、鉄粉は次第に酸化し塗装表面に固着します。
付着したばかりの鉄粉は洗車で落とす事ができます。
洗車で鉄粉が落ちない理由は、刺さってるからではなく、酸化して固着しているからです。
一般的な鉄粉を除去する方法
一般的に鉄粉を除去する方法をみてみましょう。
皆さんも一度は使ったことがあるのではないでしょうか?
個人的な見解ですが、トラップ粘土とクレイタオルはおすすめできません!傷のリスクが高いうえに作業時間がかかるからです。
鉄粉の除去方法① トラップ粘土
トラップ粘土とは鉄粉取り専用の粘土で、お湯などで温めて柔らかくして使います。
繰り返し使用できるので経済的で頑固に固着した鉄粉も除去でますがボディーに傷がつくリスクが高く、広範囲を除去する場合は地道な作業になります。
鉄粉の除去方法② ラバーパッド
ゴム製の凸凹した面で鉄粉を除去していきます。粘土よりは幾分傷のリスクが低く広範囲でも使いやすいです。
しかし、傷のリスクはゼロではありませんし、製品や使用状況によってゴムがボディーについてしまうトラブルもあります。
鉄粉の除去方法③ ラバークロス(クレイタオル)
ラバークロスとクレイタオルは製品名の違いで、クロスに鉄粉除去ができるように特殊加工がされているものです。
クロスは使い方が簡単で、広範囲でも使いやすいですが、粘土よりは除去力が低く細かな磨き傷がついてしまうのは避けられません。
クレイタオルの使用に関して興味深い動画がありました。
鉄粉の除去方法④ 鉄粉除去剤
鉄粉除去剤はスプレータイプのものがほとんどで、ボディやホイールに吹きかけると、鉄粉に除去剤が反応し鉄粉が溶解します。
一般的に鉄粉があると紫色に反応するものがほとんどですが、コーティング専門店では紫色に反応するものとは別の除去剤を使っている事あります。
除去剤の成分にはいくつか種類がありますが、化学反応によって溶解させるため傷がつくリスクはほぼゼロです。
粘土やラバークロスのように、一発で取れない場合もあり、固着がひどい場合は作業を数回繰り返す必要があります。
鉄粉除去クリーナーで鉄粉を取る方法
僕らカーコーティング専門店は鉄粉の処理をどうしているかというと、、、、、実はプロ使用の鉄粉除去剤を適切に使う事で、かなり楽して洗浄しているんです。
ここからは、カーコーティング専門店だけが知っている、ボディーについた鉄粉の簡単かつ正い除去方法についてお伝えしていこうと思います。
鉄粉除去を実践!
まずは鉄粉の状況を見ていきましょう。重度の鉄粉が蓄積しているのが一目瞭然ですね・・・。
普通であればオーナー様ご自身ではどうしようもない状態なのですが、正い鉄粉除去方法を知ってしまえば一般の方でもきれいに除去することができます。
今回使用の鉄粉除去スプレーは「SPECIALE 1-one」
念の為『メッキ部には使わないでください』としておきますが正しく使用すればエンブレムの黒ずみにもかなり有効だったりもします。
2018年の冬は豪雪に見舞われた新潟県。路面の雪がなかなか解けなかったせいで鉄粉も路面から流れずに雪を巻き上げる度に鉄粉がボディーに付着していたのでしょう。多くのお客様が写真同様に鉄粉に悩まされていました。
リヤゲートエンブレム部の鉄粉と黒ずみ鉄粉に加えて黒ずみも乗ってしまい、残念な状態になっています。
リヤゲートエンブレム部の鉄粉と黒ずみ。ホンダのエンブレム同様小汚い感じです。
ボディーについた鉄粉の除去工程
STEP0
鉄粉除去作業にかかる前に通常の洗車を終わらせておきましょう。
シャンプー洗車を行う事で油分や鉄粉以外の汚れが除去され、鉄粉除去剤の反応がよくなります。
STEP1
「SPECIALE 1-one」を柔らかいマイクロファイバークロスに適量染み込ませ、鉄粉、ウォータースポット、地下水黄ばみのある部分にサッと塗り広げます。
すぐに反応し始め(紫色にはなりません!)鉄粉は小さくなり、ウォータースポットは白く浮き上がり、黄ばみはスーッと消えていきます。
一定時間を経過すると反応が鈍るので何度か液をつけ足して撫でるように除去していきます。軽度のものであればこの工程で全て取り去ることができるでしょう。
STEP2
STEP1の鉄粉除去スプレーでも鉄粉が取りきれなかった場合には鉄粉除去パッドや鉄粉除去グローブを使うと簡単に落とすことができます。(傷は入るのでおすすめしませんが)
鉄粉除去パッドの方が簡単に鉄粉除去できてしまうので鉄粉粘土はここ数年ほとんど出番がなくなってしまいました。
鉄粉除去パッドの方法は、霧吹きか水道で水を与えながら軽くスライドさせる事で、鉄粉を除去することができます。
初めからこのパッドだけでも鉄粉除去は可能ですが、傷のリスクがあるので軽度のものはケミカル(SPECIALE 1-one)を使用してあげる事でより楽に、傷リスクなく除去が可能になります。
エンブレムや目地など細かい部分は毛の柔らかい刷毛や筆を使うと傷つけずに簡単にクリーニングができますよ
以上、作業は完了です!
必ずゴム手袋を着用して作業してくださいね。あと、弱ったメッキ、ガラス、塗装されていないアルミホイールには原則使用しないでください。
そして、洗浄完了後は施工箇所を水道水で流すか、カーシャンプーで洗浄してください。
洗車で鉄粉の除去はできないのか
前述の通り、酸化した鉄粉汚れはボディー表面に固着しているので、通常の洗車では落とすことができませんし、もちろん放置しておけば自然と除去できるものでもありません。
鉄粉除去専用のものを使い、正しい手順と方法で除去をしてあげないと、ボディにダメージを与える要因となってしまいます。
洗車時に汚れが落ちないからと無理に洗うと、磨き傷だけが増えてしまいます。先ほど紹介した方法で正しく鉄粉を除去しましょう。
鉄粉除去スプレーを使うメリット・デメリット
ここからは鉄粉除去スプレーについて紹介していきます。
鉄粉除去スプレーのメリット
・ボディを傷つけない
鉄粉除去スプレーは鉄粉と溶剤を化学反応させて汚れを取る方法です。クロスで拭き取るのでリスクはゼロではありませんが、鉄粉をそのまま擦り取る粘土やラバークロスと比較すると、磨き傷ができる心配はほとんどありません。
・広範囲の鉄粉を除去できる
スプレーを直接吹きかけるだけなので、広範囲の鉄粉を除去することに向いています。
紫色に反応する除去スプレーを使うと、どこに鉄粉が付着していたのか一目瞭然です。
が・・・私の意見としては、紫色になるタイプの鉄粉除去剤は臭いもキツいですが、ボディーに対しての攻撃性も高い様に感じているので当店では使用していません。無色透明で反応するケミカルを選ぶようにしましょう。
・使用方法が簡単
スプレー式のものがほとんどなので、初めての方でも簡単に施工する事ができます。作業方法はクロスに除去剤を含ませ、数回撫でるようにして反応させ、それを繰り返すことで鉄粉が徐々に小さくなるかすぐに除去することができます。
デメリット
・粘土やラバークロスと比較すると除去に時間がかかる傾向にある。
除去力はトラップ粘土や鉄粉除去パッドがやや優れます。
・ボディが変色するケースがある(紫色になるタイプの除去剤)
化学反応によってサビを溶かすことができる反面、変色した色がボディーに付いてしまう可能性もあります。
これは液剤によっても異なりますので、リスクの低いものを選択するようにしましょう。
・強いにおいがある(紫色になるタイプの除去剤)
鉄粉除去剤は独特の匂いがするものがほとんどです(特に紫色に反応するタイプ)
匂いがきになる場合は、マスクなどで防護してから作業しましょう。
鉄粉を除去する頻度は?
鉄粉除去を行う頻度は、使用状況やボディコーティング施工の有無、近くに鉄工所や線路があるかなど環境によっても変わってきますので、一概に言うことはできませんが、鉄粉が気になる環境であれば6ヶ月に1回は除去作業をするようにしてください。
ガラスコーティングをしていて、定期的に洗車をしている場合は半年に1度くらいの作業でも問題ないですが、洗車の際にザラつきを感じる場合は早めに対処してあげる必要があります。(※コーティングの種類によっては使用できないものもあるので施工店に問い合わせましょう)
鉄粉汚れは空気中に漂っている鉄粉が付着するため、完全に防ぐことは不可能で、放置すればするほど酸化して固着が進んでしまいます。
さらに、酸化が進むと固着力が強くなり、取り除くのが困難になることがあります。
鉄粉除去スプレーとトラップ粘土の使い分け方は?
鉄粉除去スプレーとトラップ粘土を比較すると、スプレーは除去力が弱めですが広範囲の鉄粉汚れに向いてています。
一方、トラップ粘土は除去力は強いが、広範囲の汚れには向いておらず磨き傷のリスクが高くなります。
本来はスプレーだけで鉄粉を除去するのが理想的で、プロの現場では鉄粉取り粘土や鉄粉除去パッドを使う時はその後に研磨作業を控えている場合のみです。一度傷が入ってしまうと余計な研磨費用やコーティングの再施工費用が発生するので注意しましょう。
特にガラスコーティング施工車は、定期的に洗車をすることで鉄粉汚れの重症化を防ぐ事ができます。
洗車の度にスプレーで鉄粉を除去すれば粘土などを使う必要はないでしょう。
また、洗車後に自分でコーティング剤を塗る場合は必ずスプレーで鉄粉の除去を行ってください。
これは、コーティング施工の下地処理となり怠るとボディーとコーティング皮膜の間に、鉄粉が挟まることになってしまいます。
今回使用した鉄粉除去スプレー「SPECIALE 1-one」
鉄粉取りができる商品は数多く売られていますが、中でもおすすめなのが「SPECIALE 1-one」です。
SPECIALEシリーズは、カーコーティング専門店で実際に使用されているケミカルを一般ユーザー向けに改良したものです。
「SPECIALE 1-one」鉄粉汚れ以外にも水垢などのミネラル汚れを落としてくれます。
紫色になるタイプ特有のパーマ液の様なキツい臭いも無く、快適にご使用頂けます。
実際の店舗でガラスコーティング施工の下地処理として全国のコーティング専門店でも使われているものなので効果はプロのお墨付き。
車の鉄粉対策はコーティングが有効!
鉄粉はブレーキやホイールからだけでなく、空気中にも浮遊しているため自然と付着してしまいます。
予防策としては、鉄粉が付着しても洗車で簡単に落とせる環境を整えることです。そこでおすすめなのがコーティングです。
10万円以上するガラスコーティングを専門店で施工することで永続的にコーティングの恩恵を受けられますが、短期間の効果であれば洗車後にDIYコーティングを施工することもできます。
ボディーやホイールにコーティングをすると、表面の小さな凸凹が埋まり滑らかになります。また、撥水性やウォータースポットを予防する機能もあるので新潟県などの融雪剤を撒かれる地域や海が近い地域などは特に有効です。
SPECIALEシリーズには、「gloss booster」というスプレータイプのコーティング剤もあるので、ぜひセットで使ってください。
コーティングしておけば洗車しなくても大丈夫と思われている方も稀にいらっしゃいますが、定期的な洗車は必要なので注意してくださいね。
鉄粉取りは除去剤を使おう!
今回は鉄粉の正しい取り方(除去方法)を紹介しました。
一昔前は鉄粉除去粘土が人気でしたが、現在は優秀な鉄粉除去剤が一般の方でも手に入れることができます。ボディーの傷のリスクを考えると除去剤を使用することをおすすめします。
付着したばかりの鉄粉は洗車で落とせるので、酸化してひどくなる前に取ってあげるのが理想です。
また、酸化して固着した鉄粉汚れはいずれ取れない鉄粉へ変化していきます。
コーティングの施工や早めの除去をしておくことで、日頃の洗車も楽になるのでぜひ挑戦してみてくださいね。