愛車を大切に、そして安全に使うためにはメンテナンスが必要不可欠です。
車体をピカピカにしたり、エンジンのチェックをしたりする人も多いでしょう。
でも、みなさん「ワイパー」に関して、定期的にチェックしているでしょうか?
ワイパーはあまり気にかけないパーツかもしれませんが、事故リスクを少なくして、車の安全性をしっかりと確保するためには重要です。
車に乗るのなら、ワイパー交換のタイミングや交換方法は、きちんと確認しておく必要があります。
そこで今回は「車のワイパー交換」がテーマです。
ワイパーの種類や交換頻度、プロが教えるゴムやブレードの選び方と初心者でもできる替え方について詳しくご説明していきます。
この記事は、こんな人におすすめ
・車のワイパーを交換したい人
・車のワイパー交換のタイミングが、イマイチよく分からない人
・ワイパー交換の方法が分からない
・ゴムやブレードの選び方を知りたい
・初心者でも、車のワイパーは交換できるの?
・ワイパー・ゴム・ブレードの交換方法が知りたい
ワイパーの種類
「ワイパー」といっても、形状によっていくつかの種類に分かれています。
代表的なのが、トーナメントワイパー・フラットワイパー・デザインワイパーの3つです。
ワイパーの基礎知識として、まずはワイパーの種類について確認していきましょう。
トーナメントワイパー

トーナメントワイパーは、ワイパーの骨格部分をトーナメント表のように枝分かれさせたことが名前の由来になっています。
主な特徴は、
- 骨格の強度が強い
- ゴムに均一に力をかけることができる
- 一般的な形状のワイパー
- 曲面のフロントガラスにきちんと沿ってくれる
最もスタンダードなタイプのワイパーであり、多くの車に使われています。
敢えてデメリットを言うならば、愛車の見た目にこだわる人を満足させられるようなデザインではないところです。
掃除がしづらいのを難点に挙げる方も、少なくありません。
フラットワイパー

フラットワイパーは、1999年にボッシュが開発・製品化した商品。
ラバーとフレームが一体になっているブレード型のワイパーで、日本でも性能の高さが認められて、どんどんシェア率が高まっています。
主な特徴は、
- トーナメントワイパーよりも、拭き取り性能が高い
- フレームがガラス面に対してしなる
- フロントガラスのカーブにフィットする
- 高速道走における、ワイパーの浮き上がりを防止できる
デザインワイパー

ネーミング通り、デザイン性を重視したものが、デザインワイパーです。
先程、最もスタンダードなトーナメント型ワイパーのデメリットとして、デザイン力は期待できないことをお伝えしました。
そこで、トーナメント型にデザイン性をプラスしたのがデザインワイパーというわけです。
主な特徴は、
- デザイン性を重視したワイパーである
- トーナメント型ワイパーよりも、スッキリとした見た目
- 錆が目立ちにくい
- 掃除は比較的しやすい
ワイパーゴムは4種類
次にワイパーのゴムについて、お話をしていきます。
代表的なワイパーのゴムの種類は、スタンダードワイパー・グラファイトワイパー・撥水ワイパー・雪用ワイパーの4つです。
スタンダードワイパー
スタンダードワイパーは、定番のワイパーの種類で自動車購入時に取り付けられていることがほとんどです。
まさにネーミング通り、スタンダードなタイプになります。
グラファイトワイパー
グラファイトワイパーは、炭素粒子「グラファイト」をゴム部分に使っているワイパーです。
最大の特徴は、グラファイト効果によって、ガラスとの摩擦抵抗を少なくすることができる点になります。
撥水コーティングをしたガラスと相性が良いのが魅力ポイントですが、お手入れ時には気遣いも必要となることをお忘れなく。
強く擦ったり、ウエスで汚れを拭き取ろうとすると、ゴム表面のグラファイトまで剥がしてしまう可能性が高いので気を付けましょう。
グラファイトワイパーのメンテナンスは、ゴミやホコリを払う程度で十分です。
撥水ワイパー
ワイパーに付加価値を与えており、利便性が高いと評判なのが、撥水ワイパーです。
特徴としては、ワイパーのゴムをシリコンコーティングしているため、まるで撥水材をかけたような働きが見られます。
雪用ワイパー
雪が多い地域、寒冷地で重宝されているのが雪用ワイパーです。
付加価値として、雪や寒さに強い頑丈なカバーを付けたワイパーになります。
寒冷地でよく見られる寒さによる凍結や、ガラスに雪が乗っかってしまうような状況でも、きちんと作動するパワーがあります。
ワイパー交換はここでできる!4つの方法
「何だかワイパーの調子がおかしい」と思ったら、早急にワイパーを交換しましょう。
もちろん、違和感を覚えなくても定期的にメンテナンスすることが大切です。
しかしながら、どのようにしてワイパーを交換すれば良いのか分からない人も少なくありません。
自分でできるのか?それとも、ワイパーを交換してくれる業者があるのかを確認していきましょう。
ワイパーの交換方法① コストを抑えたいのなら、自分でする

自分で、ワイパーを交換することが出来ます。
ただし、最初から誰でも簡単にできるレベルではありません。
自分の車に合うワイパーを探すところから始まり、不器用な人はワイパーの取り付けに悪戦苦闘してしまうはずです。
でも、自分で交換することによって、コストはワイパー代だけに抑えることができるのが最大の魅力です。
ワイパーの交換方法② カーショップも使える

カーショップとは、いわゆる車屋さんです。
全国にチェーン展開をしている大手カー用品店(オートバックスやイエローハット)もあれば、少人数のスタッフで対応している町の車屋さんもあります。
大手カー用品店に行けば、様々な種類のワイパーが売られているので、自分好みのものを選んで数百円の工賃で付けてもらうことができます。
ワイパーの交換方法③ 純正品にこだわるならディーラー

ディーラーでも、ワイパー交換ができます。
ただし、民間の車屋さんに比べて、ディーラーは混んでいる印象があります。
ワイパー交換のために、わざわざディーラーを訪れるというよりは、他の目的で訪れる人が多いでしょう。
しかし、純正品が結局のところしっくりくることも。
そんな時はディーラーで交換してもらいましょう。自分で交換ができる方は部品だけ購入することもできます。
筆者は色々なワイパーを試しましたが、最終的に純正品に落ち着きました。近くのディーラーで部品を注文して交換は自分で行なっています。
ワイパーの交換方法④ 急ぎの時には、ガソリンスタンド

実は、ガソリンスタンドでも交換できます。
ただし、ワイパー本体というよりは、ワイパーゴムの交換のイメージの方が大きいです。
期間限定で、ワイパーゴムの無料交換キャンペーンをおこなっているガソリンスタンドもあるようです。
お得に済ませたい、急ぎで交換したい時の選択肢として、覚えておくと良いでしょう。
ワイパーの交換方法
次にご紹介するのが「ワイパーの交換方法 」です。
交換方法は、大きく2つの方法に分けられます。
1つはワイパーのゴムのみの交換です。
そして2つ目は、ワイパーの本体をまるごと交換する方法です。
どちらも自分でおこなえる作業ですが、ゴム交換の方が簡単というわけではありません。
ワイパーの状態をチェックして、本体ごと交換するのかゴムだけ交換するのか決めましょう。
ワイパーの本体をまるごと交換する手順
1. ワイパーを取り外す準備~アームを立てる~
最初に、アームを立てます。
アームの立て方が不十分だとすぐに戻ってしまうので、アームがしっかりと動かなくなるまで立ててください。
2.ワイパーを取り外す
まず、ワイパーアームを左手で持つ。
取り外す際のボタンがあるので押しながら、右手でワイパーをスライドさせる。
ワイパーが錆びついていると、取れにくくなっているので、少し力が必要。
3.ワイパー取り付けの準備~フロントガラスの保護~
ワイパーを取り付ける前に、ひと手間をプラス。
アームを上げたまま取り付けると、フック部分がフロントガラスに当たる可能性があるので、要注意!
そこでワイパー取り外し後はいらなくなったタオルを活用して、ガラスとアームを挟んで、クッションの代わりにすると良い。
4.ワイパーの取り付け
左手でアームを持ちながら、右手の新しいワイパーの真ん中部分をU字フックに引っ掛ける。
ここでの注意点は、必ず「カチッ」という音が鳴ったことを確認すること。
きちんと装着できていないと、危険!
5. 試しに動かしてみる
交換後は、安全に使えることを確認する。
実際にワイパー交換後に動かしてみて、外れないで使えたのなら問題なし。
最後の作動確認は事故防止のため忘れないようにしましょう。
以上が、ワイパーの本体をまるごと交換する手順です。
作業自体は、たった4つの工程で終わりますので、慣れてしまえば簡単にワイパーを交換することができるでしょう。
ワイパーのゴムを交換する方法
続いて、ワイパーのゴム部分だけを交換する方法です。
1.ワイパーを取り外す
ゴムだけを交換する場合、ブレードを取らずに交換できますが、外した方が楽に交換できるのできます。
初めての場合や、慣れるまでは外してゴム交換をしましょう。
ブレードの外し方は、前述の「ワイパーの本体をまるごと交換する手順」参考にしてください。
2.古いワイパーゴムを引き抜く
ゴムがついている箇所は、片側に出っ張りがあることがほとんどです(たまにないものもある)
これは、ゴムがずれないように引っ掛けるツメ(ストッパー)です。
ツメに引っかかって取りずらいと感じるかもしれませんが、少し強めに引くことでゴムがスライドして本体から外れます。
年季が入ってる場合は固着してることも。
3.ワイパーゴムを付ける
次に、新しく購入したワイパーゴムをチェックしてください。
金属付きと金属付きじゃない2種類あります。
取り外した古いゴムを見てみると、溝に薄い金属の板が入っているのがわかります。
これはゴムがヨレヨレしないためについているパーツですが、新しいものに金属パーツがついてる場合はそのまま溝にゴムを差し込んだら交換完了です。
下手に触ってゴムと金属が離れてしまうと、面倒なのでそのままつけてくださいね。
もし、購入したワイパーゴムに金属パーツがついていない場合は、古いワイパーから移植してセットしましょう。
ゴムを差し込む方向は特に決まりはありませんが、外した方から差し込みたい方が多いようです。
ワイパーの選び方

セルフ交換をした人からは「実際の交換作業よりも、ワイパー購入が面倒に感じた」という声がよく聞かれます。
確かに、先程もご説明したように、ワイパー本体の交換は難易度は高くはありません。
ワイパーにはたくさんの種類があるので、購入したのに愛車には取り付けられなかったという失敗談も珍しくはないようです。
失敗したくないのなら、ワイパーを購入する前に、こちらをチェックしてください。
ワイパーの選び方① 車の型式・年式
ワイパーならどれでも良いというわけでは、ありません。
購入前に、車の型式・年式などの重要項目はチェックすべきでしょう。
あなたの車に合うワイパーを買わなければ意味がないです。
大手カー用品店のワイパーコーナーには、車種別の適合表が必ず置いてあります。
同じ車種でも年式によって、適合するワイパーが違うこともあるので車検証をチェックしながら選びましょう。
ワイパーの選び方② 純正なのか、市販なのか
インターネットで検索をすると、自分でワイパーを交換した人たちの体験談を見ることができます。
意外と多かったのが、純正なのか、市販なのかということです。
フロントのワイパーのブレードが市販、リアが純正だったため、同じメーカーのワイパーゴムが合わなかったというケースがあるようです。
購入をする際には焦らずに、ワイパーの詳細について確認するようにしてください。
ワイパーの選び方③ ブレードの選ぶ際の注意点
ブレードの選ぶ際には「自分が何を優先するのか?」をハッキリさせておくことが大切です。
コストで選ぶのか、ビビリ音や不快な音が極力しない高性能なブレードを選ぶのかによって、メーカーも値段も絞られてくるはずです。
またワイパーのブレード(本体)ごと交換する場合は、アームとの接続がきちんとできるのかを確認するようにしてください。
ワイパーの選び方④ ワイパーゴムの選ぶ際の注意点
ワイパーゴムを選ぶ際には、長さに注意してください。
長さが適していなければ、せっかく購入したのに無駄になってしまいます。
ちなみに、実際にカーショップのワイパー売り場に足を運ぶと、自分の車に適したワイパーゴムが確認できる冊子が置いてあるはずです。
お店のスタッフに聞いても良いですし、車検証を確認しながら型式と年式を商品と照らし合わせてみると良いでしょう。
ワイパーの交換費用は?
次に気になるのが、ワイパーの交換費用です。
ワイパー交換を自分でするのか、どこにお願いするのかによって交換費用は異なります。
自分でワイパーを交換する場合
自分でワイパーを交換する場合、もちろん工費は無料になります。
できるだけコストをかけたくないというのなら、自分でワイパー交換をするのが一番です。
大手カー用品店の場合
大手カー用品店「オートバックス」の交換費用を、参考価格してみましょう。
オートバックスの公式ホームページを参考にしました。
ワイパーブレード交換(オートバックス)
目安工賃 200円~
(税込216円~)
目安時間 10分~
※ワイパーによって、異なります。
ワイパーゴム交換(オートバックス)
目安工賃300円~
(税込324円~)
目安時間 10分~
※ワイパーによって、異なります。
上記の金額は交換費用であって、ワイパー代は含まれていません。
ワイパー代が2000~3000円位なので、それに交換費用をプラスしたのが合計金額となります。
ディーラーの場合
ディーラーでワイパー交換する場合の価格は、最も交換費用が高くなります。
なぜなら、純正のワイパーしかないのでワイパー代も高くなりますし、交換費用もカー用品店に比べて大分高くなってしまいます。
交換工賃はディーラーによってまちまちで、500円〜3000円になる場合もあり、ワイパー代を含めた合計金額が5000円オーバーすることもあります。
ワイパーの交換はなぜ必要なの?
エンジンなどの重要パーツと比べて、ワイパーはどうしても抜けてしまいがちな部分。
けれども、ワイパーの不具合は視界不良などにつながり、事故リスクを高めてしまいます。
さて、ワイパーの交換はなぜ必要なのでしょうか?
ワイパー交換が必要な理由① ゴムの劣化
ワイパーは、ゴムで作られています。
ワイパーは日々、紫外線・雨・風・日光・花粉などがある環境下で使われるため、どうしてもゴムの質が低下するのです。
その上、使用していくほどにフロントガラスとの摩擦で、ゴムがどんどんすり減っていきます。
ゴムの劣化はどうしても避けることができないため、ワイパー交換が必要になるというわけです。
ワイパー交換が必要な理由② 積雪の多い地域で快適にワイパーを使うため
こちらは、雪が降る地域にお住まいのみなさんに当てはまる理由です。
積雪地域では、雪が降るとワイパーに氷や雪がついてしまうので、ワイパー自体の動きが鈍くなってしまいます。
そこで、ウインターブレードに交換する必要があるのです。
ウインターブレードを使う場合、必然的にワイパー交換をしなければなりません。
【重要】ワイパーの寿命と交換頻度は?
一般的にワイパーの交換頻度は、ゴムだけで半年に1度、ワイパーブレードは1年に1度と言われています。
けれども、ワイパーの不具合やサインを感じたら、目安となる交換頻度に関わらず交換してください。
交換のサイン参考例
- 変な音がする
- ワイパーを使った時に筋ができる
- 視界が良くない
- ワイパーの動きが鈍い
- 雨の日に使いづらさを感じる
- 水はけが良くない
- ワイパーブレードが錆びてきた
このようなサインに気がついたら、早急に交換する必要があります。
おそらく新車の場合は、ワイパー交換のメンテナンスがついてくるはずです。
事前に確認しておきましょう。
ワイパーのゴムを長持ちさせるためのポイント
ワイパーのゴムは、半年に一度交換するのが理想です。
でも、お金のかかることですから「できるだけ長く使いたい」「コストをかけないためにも、ワイパーのゴムを長持ちさせたい」と思うのは、当たり前。
ワイパーのゴムを長持ちさせるためのポイントを、まとめてみました。
- ワイパーがガラスに張り付いたままにしない
- フロントガラス表面の汚れを無理に落とそうとしない
- 事前にガラスコーティングをしておく
- フロントガラスについている目立つ汚れは、洗い流す
- 凍結しないように、ワイパーアームを立てる
以上が、ワイパーのゴムを長持ちさせるためのポイントです。
頭の中に入れておいて、少し意識するだけで、ワイパーのゴムの持ちも変わってくるはずです。
【まとめ】車のワイパー交換に関する知識はしっかりと!
今回は、ワイパーの種類や交換について詳しくお話をしました。
普段は当たり前に動いているワイパーですが、使うほどに不具合が出てくるものです。
音がおかしいと感じたり、磨耗による性能低下が現れた場合には、早急に対処しましょう。
ワイパーにもさまざまな種類があるので、性能や形が違うものを選べば、また使い心地にも変化が出てくると思います。
「ワイパーなんて、何でもいい」という考えは止めて、ワイパーを吟味してみることをおすすめします。