車の前面で大きなエリアを占めているフロントガラスは、汚れがつきやすいもの。
走行中はホコリだけに限らず、鳥の糞や葉っぱなども飛んできます。大気中にも汚染物質が含まれていますね。
雨の日に限らず、このような汚れを落とすために皆さんワイパーを使うのではないでしょうか?
ワイパーを使うときに、まず噴射するのが「ウィンドウォッシャー液」です。
- ウィンドウォッシャー液を使わず、水で代用でも大丈夫?
- ウィンドウォッシャー液は自分で補充できる?
- すでに入っているものに新しいウィンドウォッシャー液を付け足しても問題ない?
ウィンドウォッシャー液一つとっても、様々な疑問がわいてきます。
人気のおすすめウィンドウウォッシャー液を知りたい人もいるでしょう。
そこで今回の記事は、ウィンドウォッシャー液。
安全運転と車を綺麗に乗りたい人のために、重要な役割を果たしているウィンドウォッシャー液の情報を厳選してお届けしましょう!
ウィンドウォッシャー液の役割とは?
ウィンドウウォッシャー液は、ワイパーでフロントガラスの洗浄を行うときに使われる液体です。
ワイパーで除去するのは、花粉や黄砂、ホコリだけに限らず、ワックス剤や撥水剤などの油膜や瞬間的に激突した虫などもあり、そうなるとワイパーだけでは除去が困難な汚れがあります。
そんなときにウィンドウウォッシャー液を使えばフロントガラスの汚れを除去できるのです。
従って、安全運転のために大切なクリアな視界を確保することができます。
ウィンドウォッシャー液って何でできてるの?
では、ウィンドウウォッシャー液の成分はどのようなものかご紹介します。
成分には、以下の3つが含まれています。
- 界面活性剤(ガラス面の洗浄)
- エタノール(凍結防止)
- 添加剤(防腐・防サビ)
界面活性剤は、界面(物質の境の面)に作用して、その性質を変化させる物質の総称です。洗剤や石けんに入っていることで良く知られていますね。
水に馴染みやすい親水基、そして油に馴染みやすい親油基の両方を合わせもっています。
この界面活性剤の働きによって、フロントガラスの洗浄をするのですね。
ウィンドウウォッシャー液と一口に言っても、色々なタイプがあります。
次でご説明しましょう。
ウィンドウォッシャー液のタイプは4つ
ウィンドウウォッシャー液は、1種類だけではありません。
以下のように4つのタイプが揃っており、目的別に選べるようになっています。
①洗浄成分のみのウォッシャー液
界面活性剤とエタノールが主な、一般的なウォッシャー液です。その効果は洗浄のみとなります。
外気温度が−5℃まで凍結することなく使用可能です。
②撥水効果のあるウォッシャー液
洗浄効果に撥水効果がプラスされています。シリコンやフッ素などを混ぜたウォッシャー液です。
撥水効果のあるウォッシャー液をフロントガラスに使うことで、雨や水滴を弾きます。雨などが予測されるとき、事前に使うことでクリアな視界をキープできます。
③油膜を洗浄する効果のあるウォッシャー液
油膜洗浄の効果がある専用ウォッシャー液です。
走行中に受ける排気ガスや鳥の糞などの油分を落とすことができます。
一般のウォッシャー液や濡れた布なので拭いても取れない汚れは、油膜によるものの可能性があります。
油膜取りにはこのタイプが有効です。
また、未然に油膜がつくことを防ぐ効果もあり、洗浄が楽になります。
④凍結を防ぐウォッシャー液
洗浄成分はもちろん、塩化カルシウムなどが混ざっているこのタイプは気温が下がってもウォッシャー液が凍らないような仕様になっています。
冬場や寒いエリアで運転するときでもフロントガラスが凍結しにくくなり、安全性を高めてくれます。
希釈タイプと原液タイプがあるウィンドウォッシャー液
さらに、ウィンドウウォッシャー液には液を薄めて使う希釈タイプと薄めずに原液で使うタイプがあります。
希釈タイプなのにそのまま使ってしまえば、流れ落ちないくらい濃い液体がフロントガラスを覆ってしまう可能性があります。
使用方法はきちんと確認してから使ってくださいね。
希釈タイプのウィンドウォッシャー液は正しい使い方で!
ウィンドウウォッシャー液には希釈タイプと原液で使うタイプの二つに分かれることが分かりました。
さらに詳しくご紹介しましょう。
希釈の割合を確認しよう!
ここで、希釈タイプの希釈割合の目安を確認していきます。割合は車を使用する地域の気温に合わせて選びます。
- 凍結温度 – 20℃(原液1:水0)
- 凍結温度 – 7℃(原液1:水1)
- 凍結温度 – 4℃(原液1:水2)
お住まいの地域がそれほど寒くない場合は、原液を2倍の水で薄めて使用するということになります。
何を使って希釈するの?
希釈タイプは水道水によって薄めて使用します。
ここで注意点ですが、希釈液は事前に作りましょう。タンクに原液を入れ、そこに水を入れて希釈という方法は避けてください。
ウィンドウウォッシャー液は洗剤なので、上から水を落とす都度に泡立ってしまうからです。
ウィンドウウォッシャー液の役目や含まれる成分、そして4つのタイプと希釈方法が分かりましたね。
それでは、ウィンドウウォッシャー液がどのような状態で車の中にあるのか確認しましょう。
ウィンドウォッシャー液、車のどこに入っている?
車のボンネットを開けると、ウィンドウウォッシャー液の入っているタンクがあります。タンク上部には、「Washer Fluid Only」と書かれています。Fluidは”液体”という意味ですね。
エンジンルーム内には、ウィンドウウォッシャー液用の他にもいくつか液体を入れるタンクがあります。間違って違うタンクに入れないように注意する必要があります。
ウィンドウォッシャー液は補充が必須
使えば使うほど減っていく、ウィンドウォッシャー液。
ウィンドウォッシャー液が無くなってしまっている時にワイパーを使うと、フロントガラスを傷つけてしまうこともあります。
従って、ウィンドウォッシャー液の補充は必須となります。
補充の頻度としては、年間1万キロ程度の走行距離の場合、半年に一度程度が目安となります。
操作してもウィンドウウォッシャー液が噴射されない場合は、タンクが空になっている可能性があります。
補充方法に関しては後述しますので、ご心配無用です!
その前に、ウィンドウウォッシャー液を購入する場所をご紹介します。
ウィンドウォッシャー液はどこで買えるの?
では、補充の必要なウィンドウウォッシャー液はどこで買えるのかご紹介しましょう。
- ガソリンスタンド(昭和シェル、ENEOSなど)
- ディーラー(トヨタ、ホンダなど)
- カー用品店(オートバックス、イエローハットなど)
- ホームセンター(カインズなど)
- オンライン(アマゾン、楽天市場など)
- ディスカウントショップやコンビニなど
このように、ウィンドウウォッシャー液はみじかな様々な場所で購入することができます。
価格ですが、一般的にガソリンスタンドは高いと言われています。
カー用品店やホームセンターでは、安いもので2リットル200円~400円です。
高いと言ってもガソリンスタンドに行く際に購入すれば時間の節約になりますし、ホームセンターやオンラインショッピングなどで他の買い物ついでにオーダーするのも良いですね。
それぞれの生活行動範囲内で気軽に購入できるので便利です。
それでは、ここからはウィンドウウォッシャー液の補充について説明してまいりましょう!
ウィンドウォッシャー液、2つの補充方法
ウィンドウウォッシャー液の補充は、2つの方法ですることができます。
①補充を依頼する
車検時に、ウィンドウウォッシャー液の補充がサービスで行われることがあります。
またガソリンスタンドで給油のついでに、ウィンドウウォッシャー液の補充を有料で依頼することができます。
②自分で補充する
ウィンドウウォッシャー液を購入し、自分で補充します。
自分で補充をされたことのない人は、ここで不安になられたかもしれません。
しかし、ご心配無用です。
ウィンドウウォッシャー液の補充は、ご想像よりはるかに簡単にできるんです。
さっそく、そのステップを詳しくご説明していきましょう!
ウィンドウォッシャー液を自分で補充する5ステップ
補充が必須のウィンドウウォッシャー液。必要なときに自分でササッとできたら便利ですね。
さっそく、そのステップをご紹介します。
①ボンネットを開ける
運転席下にあるボンネットを開けるレバーを引きます。ボンネットが開いた車がついているので分かりやすいですね。
これでロックが解除されボンネットが軽く開いた状態になります。
次に車外にでてボンネットを見ると、開いた隙間からレバーが見えます。このレバーを押しながらボンネットを開けましょう。
開けたボンネットを支えるつっかえ棒がついていますので、それを使用してボンネットが閉まらないように固定します。
②ウィンドウォッシャー液のタンクを確認する
上述した通り、ウィンドウウォッシャー液のタンクには”Washer Fluid Only”と書かれています。キャップには、ウォッシャー液が噴射しているマークがありますので分かりやすいと思います。
ボンネットを開けた状態でタンク本体まで確認できる車種、タンク本体は見えず補充口のみある車種とあります。
ここで再度、注意事項です!
エンジンルームにあるオイルや冷却水用の補充タンクなど、他の場所とは絶対に間違わないようにしてくださいね。
③残っているウィンドウォッシャー液を抜く
補充タンクにまだウィンドウォッシャー液が残っている場合が想定されます。
ウィンドウウォッシャー液が同じものであれば、そのまま足して問題ありません。
しかし、異なるものを補充する場合は、まず古いものを処理しタンクをカラにしましょう。
処理の仕方をご紹介します。
- 残量が少ない場合:ワイパーレバーを引き続け、タンクがカラになるまで噴射をする
- 残量が多い場合:未使用の灯油ポンプで抜き出し、残量が少なくなったところで噴射でカラにする
④ウィンドウォッシャー液を補充する
キャップを開け、ウィンドウォッシャー液を補充します。
上限にラインがあればそこまで、またはゲージ付きであれば少しづつ注ぎましょう。
ウィンドウウォッシャー液のボトルが大きかったりしてタンクへ注ぎにくい場合は、じょうごを使うと大変便利です。
⑤動作確認をする
キャップを閉めボンネットも閉めたら、最後の確認作業をします。
きちんとウィンドウウォッシャー液が噴射されるか実際にやってみましょう。
噴射されれば、補充が完了です!
色々な場所で購入できる、ウィンドウウォッシャー液。
ここで、おすすめのウィンドウウォッシャー液をご紹介します。
人気のウィンドウォッシャー液5選
ウィンドウウォッシャー液はその数がありすぎて、選ぶのに困ることもあるのではないでしょうか?
人気のウィンドウウォッシャー液5選をご紹介します。
ウィンドウウォッシャー液選びにお役立てください。
Surluster(シュアラスター)ウォッシャー液ゼロウォッシャー超純粋クリアータイプ
オールシーズン対応、撥水効果のあるタイプです。
透明度が高く、噴射時も視界を遮りにくい上に後残りが非常に少ないと評判です。水質グレードA3クラスの超純水にまで濾過したものを使用しているため、ガラスコーティングを傷めないこと、フロントガラスの汚れがつきにくいことで重宝です。
他の商品と比べ多少金額が高いですが、洗浄効果・撥水効果・油膜防止が揃い、また年に1度2度の補充を考えれば使い心地が良いものをという人に大変人気です。
古河薬品工業 解氷撥水ウォッシャー液
凍ったフロントガラスの氷を溶かすことができる、解氷効果と撥水効果に特化しているウィンドウウォッシャー液です。
原液使用でも変に沈むことなく、気持ちよく使用できます。気温がグッと下がった日、早朝にワイパーで拭いた部分のみクリアで凍結していなかったと使う価値を実感できる商品です。
古河薬品工業 クリアウォッシャー液
−30℃まで凍結せずに使用できるウィンドウウォッシャー液です。
原液をタンクに注ぐタイプは補充の手間がかかりません。ガラスコーティング車にもおすすめです。ウォッシャー液の白い後残りも気になりません。
ガラコウォッシャー SOFT99 ウィンドウケアパウチパック
撥水効果に即効性があることで良く知られているだけでなく、凍結防止の評判も高い商品です。寒冷地にお住まいの人には大変おすすめのウィンドウウォッシャー液です。
スーパーレインGTウォッシャー8455
世界初、フッ素系界面活性剤使用で撥水皮膜を1.5倍の耐久力を可能にしたウィンドウウォッシャー液です。オールシーズン対応、−30℃の寒冷地でも使用可能です。
ガラスに輝きを与えてくれ、白い後残りも気になりません。
ここまで、ウィンドウウォッシャー液について様々な角度からご紹介しました。
さらに、ウィンドウウォッシャー液を他のもので代用できるかどうかという疑問にお答えしてまいりましょう。
ウォッシャー液は水では代用できない
フロントガラスの汚れを除去するために必要なウォッシャー液。
皆さんは、水で代用した経験がありますか?
ウォッシャー液には洗浄、撥水効果、油膜対応そして凍結を防ぐという役割があることはすでにご理解いただいていますね。
水を代用して使用すると、水で落ちる範囲の汚れには対応ができます。しかし、それ以外には効果がありません。
撥水効果、油膜対策ができないばかりでなく、寒冷地での走行で水が凍りノズルが詰まってしまう可能性まであります。
そうなると、ノズル損傷ということにもなり兼ねません。
ウォッシャー液は水で代用せず、正しいものを入れるようにしましょう。
食器用洗剤はウォッシャー液として使える?
世間には色々なことを考える人がいます。
食器用洗剤はウォッシャー液と同じ界面活性剤が入っています。
そのポイントにアイデアが浮かび、食器用洗剤を水で薄めてウォッシャー液の代用にしようと考えるのです。
しかし、こちらの結論も「食器用洗剤の代用はせず、ウォッシャー液を正しく使いましょう」
水での代用と理由は同じです。加えて、フロントガラスが白く濁ってしまう可能性もあり、それが安全面に支障をきたすことさえあります。
やはり、ウォッシャー液は車のフロントガラスを綺麗にし視界を確保するために作られているというところを再確認したいですね。
このように、ウォッシャー液にはウィンドウウォッシャー液ならではの役割そして効果があります。
そしてウォッシャー液が最も必要な状況は、実は豪雪時なのです。
豪雪時にウォッシャー液が安全を確保する
国土交通省東北地方整備局・郡山国道事務所による「雪道ドライブテクニック」では、雪国ならではのアドバイスがたくさん載っています。
その中で、ウィンドウウォッシャー液についても触れています。
雪道ではフロントガラスが汚れやすいので、頻繁にウィンドウウォッシャー液(ワイパー)を使用します。ウィンドウウォッシャー液には凍結防止効果もありますが、フロントガラスが冷え切っていると凍り付いて危険な状態になるのでご注意ください。また、ウィンドウウォッシャー液を補充するときには原液に近いものを入れましょう
寒冷地では車の運転の安全性を確保することが重要事項です。安全確保の対策の一つとしてウィンドウウォッシャー液が取り上げられています。
ウィンドウウォッシャー液がきれてしまわないよう、補充用のスペアを車内に用意しておくことも重要でしょう。
ウィンドウウォッシャー液を正しく使用することで、視界を確保し安全運転につながるのです。
寒冷地でも対応できるタイプをしっかり選んで対策してください。
それでは最後に、ウィンドウウォッシャー液を使うときのマナーについてご紹介します。
ウォッシャー液を使うときのマナー
日本人は他人を不快にさせないことへの配慮がとても上手いですね。
ウィンドウウォッシャー液を使うときもこれらの気遣いが働き、走行中に使うのはマナー違反だという声があります。
しかし、ウィンドウウォッシャー液を使うのは停車時のみというのも極端すぎるのではないでしょうか?
気遣いをするのであれば、交通量は人通りの少ない場所で使いましょう。
また、ウィンドウウォッシャー液を使うときの後続車との車間距離を確認することもおすすめです。走行スピードによりますが一定の間隔があるときに使えれば、後続車にウィンドウウォッシャー液がかかることを避けることができます。
また、ウィンドウウォッシャー液のノズルの方向を日頃調整しておくこともできます。位置がずれていて後続車に影響があるような場合は、安全ピンなどを差し込み方向を変えればOKです。
視界確保に重要!ウィンドウォッシャー液まとめ
たかがウィンドウウォッシャー液、されどウィンドウウォッシャー液。
フロントガラスを綺麗にするだけでなくクリアな視界の確保に大きく関わるほど、実はウィンドウウォッシャー液は車や人にとってとっても大切なアイテムということが分かりました。
安全運転と車を綺麗に乗りたい人のために重要な役割を果たしているウィンドウウォッシャー液、ぜひ正しく利用しましょう!